地球ドラマチック「古代エジプト 王女の墓の謎」、そもそも王女じゃない件について
というわけで、久しぶりにエジプト番組でも見てみるかってことで地球ドラマチックの「古代エジプト 王女の墓の謎」を見てみた。
BBC系列のとこから買ってきた番組で無難なつくりなのだが、そもそものタイトル詐欺というか、「これ王女じゃない(王女という証拠がない)ミイラの話なんだが…(´・ω・`)」というあれ。そして「ツタンカーメンいらいの大発見」というキャッチコピーだと、内容的にだいぶショボく感じられるんじゃないかと思う。
お題は、2008年に見つかったKV64のその後の調査。
この墓は二層になっていて、ガレキの下に埋もれているのが本来の第18王朝の被葬者、そのあと墓を再利用して埋葬されたのが第22王朝の被葬者。で、第18王朝の被葬者のほうを番組では「王女」と呼んでいたのだが、棺もなく、ミイラはばらばらで、副葬品も一部しか残っていなかったため、名前はもちろん、身元もなにもそもそもが不明なんである。ガラスの器があったこと、墓の場所的に王家メンバーが埋葬されそうな場所にあること、ミイラの作り方が丁寧なことから、身分が高く、おそらく王家に関係する人物だろう、とまでは推測できるが、それ以上ではない。
なのに番組の途中から「王女」と断定形に変わる…。
ちなみに墓が再利用されて埋葬された第22王朝のアメン神官ネヘメスバステトは、王女ではなく神官の扱い(王家の一員ではあるかもしれない)。なので番組タイトルには本当は王女とつけるのは正確ではなかったんじゃないのかと。視聴率稼ぐためのタイトル詐欺はよくない。
あと細かいところ言うと、王家の谷で見つかった「墓」が70ある、というのは正確ではないと思う。
掘ってる最中に岩盤が崩れたとか、別の墓にぶつかってしまったとか、物置や儀式用に作られた穴とか、墓として使われていないものも沢山あるから。
それと、墓としてミイラと副葬品が同時に見つかったのがKV62のツタンカーメンのものが最後だからといって、1920年代いらい初めての大発見、とまで持ち上げるのは、やはりちょっと厳しかったと思う。なにしろ一つの墓に二人の女性が埋葬されていたというミステリーはともかく、二人とも副葬品がほとんどなく、墓自体もシンプルな縦穴構造なので映像として派手さがないからだ。未盗掘の墓といっても、一人目の被葬者が盗掘されつくしたあとの二人目の被葬者は盗掘されなかっただけだし…。
ただ番組構成自体は良く出来てて、発掘から時間が経っていることもあり妙な小出し情報もなく、最後はルクソール博物館の展示室の話で終わるのでおさまりが良かった。また、ペルシア支配後のエジプトの財政事情や、それに伴う「王家主導の」組織的な盗掘の話もきっちり出てきていた。
短い時間なりにコンパクトにまとまったいい番組だったと思う。
*****
ちなみにKV63の時はこんな感じでツッコミどころ満載の番組になってました。あのグダグダ感と比べるとほんとマトモになったもんですよ。
それにしても、あれからもう10年たつんですか…そうですか…。
https://55096962.seesaa.net/article/200907article_30.html
BBC系列のとこから買ってきた番組で無難なつくりなのだが、そもそものタイトル詐欺というか、「これ王女じゃない(王女という証拠がない)ミイラの話なんだが…(´・ω・`)」というあれ。そして「ツタンカーメンいらいの大発見」というキャッチコピーだと、内容的にだいぶショボく感じられるんじゃないかと思う。
お題は、2008年に見つかったKV64のその後の調査。
この墓は二層になっていて、ガレキの下に埋もれているのが本来の第18王朝の被葬者、そのあと墓を再利用して埋葬されたのが第22王朝の被葬者。で、第18王朝の被葬者のほうを番組では「王女」と呼んでいたのだが、棺もなく、ミイラはばらばらで、副葬品も一部しか残っていなかったため、名前はもちろん、身元もなにもそもそもが不明なんである。ガラスの器があったこと、墓の場所的に王家メンバーが埋葬されそうな場所にあること、ミイラの作り方が丁寧なことから、身分が高く、おそらく王家に関係する人物だろう、とまでは推測できるが、それ以上ではない。
なのに番組の途中から「王女」と断定形に変わる…。
ちなみに墓が再利用されて埋葬された第22王朝のアメン神官ネヘメスバステトは、王女ではなく神官の扱い(王家の一員ではあるかもしれない)。なので番組タイトルには本当は王女とつけるのは正確ではなかったんじゃないのかと。視聴率稼ぐためのタイトル詐欺はよくない。
あと細かいところ言うと、王家の谷で見つかった「墓」が70ある、というのは正確ではないと思う。
掘ってる最中に岩盤が崩れたとか、別の墓にぶつかってしまったとか、物置や儀式用に作られた穴とか、墓として使われていないものも沢山あるから。
それと、墓としてミイラと副葬品が同時に見つかったのがKV62のツタンカーメンのものが最後だからといって、1920年代いらい初めての大発見、とまで持ち上げるのは、やはりちょっと厳しかったと思う。なにしろ一つの墓に二人の女性が埋葬されていたというミステリーはともかく、二人とも副葬品がほとんどなく、墓自体もシンプルな縦穴構造なので映像として派手さがないからだ。未盗掘の墓といっても、一人目の被葬者が盗掘されつくしたあとの二人目の被葬者は盗掘されなかっただけだし…。
ただ番組構成自体は良く出来てて、発掘から時間が経っていることもあり妙な小出し情報もなく、最後はルクソール博物館の展示室の話で終わるのでおさまりが良かった。また、ペルシア支配後のエジプトの財政事情や、それに伴う「王家主導の」組織的な盗掘の話もきっちり出てきていた。
短い時間なりにコンパクトにまとまったいい番組だったと思う。
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ちなみにKV63の時はこんな感じでツッコミどころ満載の番組になってました。あのグダグダ感と比べるとほんとマトモになったもんですよ。
それにしても、あれからもう10年たつんですか…そうですか…。
https://55096962.seesaa.net/article/200907article_30.html
