エチオピア北部まとめ(反省会)
というわけで、だいぶ駆け足だがエチオピア北部遠征resultをまとめておいた。
今回は主に遺跡巡りメイン、北部のみだったが、前から気になってたアクスム王国関連の主要な部分は回れたかなと思う。
遺跡と遺物を見て回って思ったのは、やっぱアクスム王国ってアフリカ東部のかなり大きな文明だったんだな、ということ。
アクスム王国の遺跡として有名なのはアクスム石柱群なのだが、それ「だけ」ではない。
インカ帝国がいきなり発生したわけではなく、前段となるプレ・インカ文化の集合体であるように、アクスム王国もまた、王国成立以前に存在したプレ・アクスムと呼ばれている文化の集合体だった。そして、プレ・アクスムを育んだものは、アフリカ内部のナイル川沿いの内陸交易路と、紀元前の紅海を通る海洋交易路の両方だった。
交易路は東地中海から紅海を抜けてインドまで繋がる。この線上には古代ギリシャ、ローマ、エジプト、パレスチナやシナイ半島、アラビア半島、メソポタミア、インド方面まで、近隣の文化圏が存在し、それらがちょっとずつ、いろんな形で溶け込んでいるのがプレ・アクスムの遺物だ。アクスム王国は伝わってきたものを自分たちなりに洗練させた結果として誕生していることが見えてくる。
また内陸のナイル川沿いの交易路を通じては、北のスーダン・メロエ文化からの影響が伺えた。
これは、大きな一次文明の間に位置する二次文明圏の成立の仕方だ。(二次文明圏という意味ではギリシャやローマもそう)
あんまり研究が進んでいない分野のようで資料も少ないし、現地ではほぼ説明が無いが、とても面白いジャンルだと思う。ただ、エリトリア側で成立したアクスム以前のダモト王国の関連については、自分の知識が不足していることもあり、よく分からなかった。というかインダス文明の遺跡がパキスタンとインドに分かれてしまって相互研究が難しいのと同じように、プレ・アクスムの遺跡もエリトリアとエチオピアに分かれてしまってて相互研究が不足しているっぽいんだよね…。
また、エチオピア正教も、他のキリスト教宗派の影響をちょっとずつ取り込んでオリジナルのものを作り上げている過程が垣間見えて面白い。正教系の宗教画に、ポルトガルからイエズス会が布教しに来てた時代に伝わったと思われる様式が混じっていて、さらにエチオピア独自の聖人も付け加えられている、といった具合だ。
本当にいろんな文化、時代の影響がごちゃまぜになっているので、この国は、周辺の国を周って元ネタの見当がつくようになってから行くと、ちょっとだけ理解がしやすいかもしれない。
自分的に、かなりお勉強になった旅であった。
****
さてこの国は、わりと「写真撮ってるどころじゃねぇよ」的な場面の多い国でもあった。
まず交通系トラブルが多い。町から空港に向かう一本だけの道で交通事故があり、車が長蛇の列になってたり。
バスが何等かの理由で来なかったり。
空港システムダウンで飛行機乗れなかったり。
交通量そんなに多くないのに街中での交通事故多いし…。ていうか首都にしか信号が無いのと、舗装道路自体が少ないってのもある。
バスがミゾにはまっても笑顔
盛大にパンクしたバスの隙間をトゥクトゥクが走り抜けて行く
というわけなので、時間は余裕持って行こう。
予定通りに行動出来ない、それがこの国。
ホテルは…うん…
まあ…冷暖房なんて無いよ…
ドアと窓に鍵がかかればいい…
というか、シャワーがちゃんと出て、途中で水が止まらないならそれだけで… (※しょっちゅう断水するので、水が出るうちにバケツに溜めておくのが基本)
最初から電気がないならともかく、不意打ちで停電かましてくるあたり、ある意味アマゾンより過酷。
それと、ほとんどの観光地は案内板もなんもなくて、個人でたどり着くのが困難。その地元のガイドさんを雇っていくことになるので当たりはずれが結構ある。遺跡の説明なんかにしても、観光客にウケそうなファンタジーを堂々と喋ってくるガイドさんもいれば、わりと学術的な話までカバーできる人もいる。
地元ガイドガチャ。
全般として、「楽しかったけど疲れたわ…」という感じでした。
いや出会ったのはみんないい人だったんだけどね。どうにもならんことはどうにもならんのだよね。
あと
・水の補給の出来る場所が皆無。エジプトみたいに観光地の横で水売ってる親切(?)な商人とかいない
・スーパー? 地方都市にはそんなもんないよ? ちょっとした買い物なんてできる場所はほぼない
・バスはすさまじい混雑
・英語は結構通じる、聞き取りやすい ただし現地の文字が全く読めない
・道路標識や看板のたぐいはほぼ無い 観光地でさえも!
このへんもお気をつけて。。
****
まとめ読みは こちら
今回は主に遺跡巡りメイン、北部のみだったが、前から気になってたアクスム王国関連の主要な部分は回れたかなと思う。
遺跡と遺物を見て回って思ったのは、やっぱアクスム王国ってアフリカ東部のかなり大きな文明だったんだな、ということ。
アクスム王国の遺跡として有名なのはアクスム石柱群なのだが、それ「だけ」ではない。
インカ帝国がいきなり発生したわけではなく、前段となるプレ・インカ文化の集合体であるように、アクスム王国もまた、王国成立以前に存在したプレ・アクスムと呼ばれている文化の集合体だった。そして、プレ・アクスムを育んだものは、アフリカ内部のナイル川沿いの内陸交易路と、紀元前の紅海を通る海洋交易路の両方だった。
交易路は東地中海から紅海を抜けてインドまで繋がる。この線上には古代ギリシャ、ローマ、エジプト、パレスチナやシナイ半島、アラビア半島、メソポタミア、インド方面まで、近隣の文化圏が存在し、それらがちょっとずつ、いろんな形で溶け込んでいるのがプレ・アクスムの遺物だ。アクスム王国は伝わってきたものを自分たちなりに洗練させた結果として誕生していることが見えてくる。
また内陸のナイル川沿いの交易路を通じては、北のスーダン・メロエ文化からの影響が伺えた。
これは、大きな一次文明の間に位置する二次文明圏の成立の仕方だ。(二次文明圏という意味ではギリシャやローマもそう)
あんまり研究が進んでいない分野のようで資料も少ないし、現地ではほぼ説明が無いが、とても面白いジャンルだと思う。ただ、エリトリア側で成立したアクスム以前のダモト王国の関連については、自分の知識が不足していることもあり、よく分からなかった。というかインダス文明の遺跡がパキスタンとインドに分かれてしまって相互研究が難しいのと同じように、プレ・アクスムの遺跡もエリトリアとエチオピアに分かれてしまってて相互研究が不足しているっぽいんだよね…。
また、エチオピア正教も、他のキリスト教宗派の影響をちょっとずつ取り込んでオリジナルのものを作り上げている過程が垣間見えて面白い。正教系の宗教画に、ポルトガルからイエズス会が布教しに来てた時代に伝わったと思われる様式が混じっていて、さらにエチオピア独自の聖人も付け加えられている、といった具合だ。
本当にいろんな文化、時代の影響がごちゃまぜになっているので、この国は、周辺の国を周って元ネタの見当がつくようになってから行くと、ちょっとだけ理解がしやすいかもしれない。
自分的に、かなりお勉強になった旅であった。
****
さてこの国は、わりと「写真撮ってるどころじゃねぇよ」的な場面の多い国でもあった。
まず交通系トラブルが多い。町から空港に向かう一本だけの道で交通事故があり、車が長蛇の列になってたり。
バスが何等かの理由で来なかったり。
空港システムダウンで飛行機乗れなかったり。
交通量そんなに多くないのに街中での交通事故多いし…。ていうか首都にしか信号が無いのと、舗装道路自体が少ないってのもある。
バスがミゾにはまっても笑顔
盛大にパンクしたバスの隙間をトゥクトゥクが走り抜けて行く
というわけなので、時間は余裕持って行こう。
予定通りに行動出来ない、それがこの国。
ホテルは…うん…
まあ…冷暖房なんて無いよ…
ドアと窓に鍵がかかればいい…
というか、シャワーがちゃんと出て、途中で水が止まらないならそれだけで… (※しょっちゅう断水するので、水が出るうちにバケツに溜めておくのが基本)
最初から電気がないならともかく、不意打ちで停電かましてくるあたり、ある意味アマゾンより過酷。
それと、ほとんどの観光地は案内板もなんもなくて、個人でたどり着くのが困難。その地元のガイドさんを雇っていくことになるので当たりはずれが結構ある。遺跡の説明なんかにしても、観光客にウケそうなファンタジーを堂々と喋ってくるガイドさんもいれば、わりと学術的な話までカバーできる人もいる。
地元ガイドガチャ。
全般として、「楽しかったけど疲れたわ…」という感じでした。
いや出会ったのはみんないい人だったんだけどね。どうにもならんことはどうにもならんのだよね。
あと
・水の補給の出来る場所が皆無。エジプトみたいに観光地の横で水売ってる親切(?)な商人とかいない
・スーパー? 地方都市にはそんなもんないよ? ちょっとした買い物なんてできる場所はほぼない
・バスはすさまじい混雑
・英語は結構通じる、聞き取りやすい ただし現地の文字が全く読めない
・道路標識や看板のたぐいはほぼ無い 観光地でさえも!
このへんもお気をつけて。。
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まとめ読みは こちら