エチオピア・タナ湖近辺で作られているコメ、実は日本の支援で作付けされるようになったものかもしれにない

ひょんなことから、アフリカで行われているコメ作振興プロジェクトの範囲にエチオピアも入ってた、ということを知った。
JICAが行っている農業支援についてはJICAのサイトなどを参照。

ネリカ米振興計画プロジェクト
https://www.jica.go.jp/60th/africa/uga_01.html

ネリカ米とは、New Rice for Africaの略。高収量のアジア稲と病気・雑草に強いアフリカ稲の交配によって1994年に開発された稲のことです。JICAは一早く専門家を派遣し、天水稲作の技術導入などウガンダにおけるネリカ米普及に取り掛かりました。


アフリカ原産のイネと、アジア原産のイネでは、アジアのイネのほうが品種改良なども進んでおり収穫率は高い。
しかし水田の作りづらいアフリカではアジアのイネは普及できない。そこで、現地の気候に適したアフリカ原産のイネと、たくさん収穫できるアジアのイネを掛け合わせて作り出した、アフリカ向けの新しい品種が「ネリカ」。

これを農業指導でアフリカの国々に広め、飢餓を減らし、将来的には換金作物としても使えるようにするという壮大なプロジェクトなのだ。

第1回 えっ、アフリカで米づくり? しかも畑で?
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20140701/405329/?P=3

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"「砂漠地帯でも適度な水源があればつくれますし、逆に低湿地でも可能です。陸稲より水稲のほうが収量が高いことからしても、イネは水があったほうが育ちがいい。エチオピアにある青ナイル川の源流、タナ湖の周辺の土地は雨季になると水がたまってしまうため、その期間は農家はなにも作ることができませんでした。トウモロコシなどは植えても腐ってしまいますからね。でも、いまは一面にイネが植えられています。その土地の気候風土に合わせてネリカの品種を使い分けています」"


強いぞネリカ。
エチオピアでやたらとコメがメニューにあったのは、そういうことだったのかと今頃になって知った。なんかインディカ米っぽくパサっとしたやつで、なんでこんなにピラフみたいな米料理出てくるんだろう…と思ってた。知っていればお店の人に品種を訊けたのに!!




ちなみにイネの原種はアフリカ、アジア、南米にあり、南米のものは栽培化されていない。
http://www.naro.affrc.go.jp/archive/nias/cropgenome/ine/nakama.html

また、各大陸ごとに特性がかなり違い、ゲノム配列からして別種と呼んでいいくらい違うので、そのまま交配しても子孫が残せなかったりするそうだ。
http://dbarchive.biosciencedbc.jp/archive/diam_safety_literature/LATEST/document/081/081-f005.html

品種改良という現代の技術で、アフリカの飢餓を救えるか。
ODAってただのバラマキみたいに言われることも多いけど、実は目立たないところでとても大事な仕事をしていたりするんだよね。改めて、そう思う。


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おまけ

エチオピアで食ったこの魚のフライとセットになってる米、たぶんネリカ米だと思う…たぶん!

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