エジプトマニア、古代のイースト菌を培養してパンを焼く。

専門家がやってるならともかく、ただの趣味でやってるからやべーやつ。たまにこういう突き抜けたエジプトマニアがいるから、世界のエジプトマニア界は怖い。


The ancient Egyptian yeasts being used to bake modern bread
https://www.bbc.com/news/world-us-canada-49262255

アマチュアのエジプト研究科で職業はX-boxのゲームコンソール開発、趣味はパンを焼くこと。という属性盛りだくさんなSeamus Blackleyさんは、どういうわけか古代エジプトのイースト菌でパンを焼きたいと思ったらしい。何人かの専門家の助けを借りて、壺の中で5,000年間も休眠していた古代エジプトのイースト菌を抽出。古代エジプトのビールづくりに使われるビール種はサワードゥ(発酵させて酸っぱくなったパン)だと考えられているので、ビールを作っていた壺からイースト菌が検出されるのは不思議なことではない。

で、その菌を培養してパンを焼いてるのだが、「できるだけ古代の条件に近づけたかった」と、ヒトツブコムギとオオムギを使っているあたりが憎い。そうそう、今の小麦は品種改良されたものだから古代のものとは全然違うからね…。

焼きあがったパンの写真は記事にあるとおり。グルテン控えめ、ふっくらしてはいるが独特の仕上がりになっている。

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ただしこれは現代のオーブンで焼かれたもの。記事にあるとおり古代には壺にパン生地を入れて窯焼きする感じだったはずで、次回は古代エジプト風の窯も作って、より古代に近いパンを焼くとのこと。
また、今回はピラミッドが作られはじめる以前の古い時代のイースト菌を使っているけど、時代ごとのイースト菌も集めて試してみたいとまで言っていて、「い、いやそこまでガチに再現しなくても」って逆にビビるレベル。これが…アマチュア研究家…。いや、つか、どっかの専門家がやってた再現実験より全然ガチなやつじゃん…。

しかしなんかこれ、そのうちイースト菌が培養されて「古代エジプトイースト菌セット」とか売りに出されそうな予感。古代パン焼いてみたい人は絶対いる、美味しいかどうかはともかくとして。

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