古代エジプトの女医「メリトプタハ」は存在しなかった。誤解の出所が調査されほぼ明らかに
どうやら世界的には有名(?)らしいのだが、古代エジプトのメリトプタハという女性は、最初の女医として知られているらしい。古代から女性の医者はいたんだとか、女医の起源は古代エジプトとか、なんかそういう感じで言及されていることがあるようなのだが、実はそんな人は実在しなかったんだよ。という記事が出ていた。
まあ簡単に結論を言うと、それらしい人はいたけど時代も名前も全然ちゃうぞ、という話である。
Celebrated ancient Egyptian woman physician likely never existed
https://archaeologynewsnetwork.blogspot.com/2019/12/celebrated-ancient-egyptian-woman.html
※ググってみたら日本語のwikipediaにもいた…。

そもそもこのメリトプタハという女医は、1938年にKate Campbell Hurd-Meadという人物が出版した本が初出だという。ググってみると、「医学における女性の役割を促進した先駆的なフェミニストおよび産科医」と出て来た。1938年に出版された彼女の本は、古代から19世紀に至るまでの「医学における女性の歴史」だそうだ。
この本の中で、メリトプタハは古代に実在した女性医師として、「王家の谷で発見された司祭の母親」「古王国時代の人物」「主任医師」と紹介されたのだが、探しても該当人物が見つからない。
そもそも古王国時代の墓は王家の谷にはない。
探していくうちに、アケトヘテプ(Akhethetep)という別の人物が見つかった。ギザで発掘された古王国時代の墓で、墓の中の文章で母親のペセシェト(Peseshet)に対して「癒し手の女性たちの監督者」という肩書を与えているのだという。
墓が発見されたのも1929-30年なので本の執筆されていた時代と符号する。
この記事では、Hurd-Meadが人物名、発見場所、彼女が生きていた時代などを色々ごっちゃにして本を書いてしまったのだろう。と結論づけている。まあ、うーん、なんというか。…本というソースがあれば、専門家でもない限りそれ以上深く調べることは無いだろうし、そもそも載ってる本が医学史の本なので考古学や人文系の人は手に取らなさそうなんだよな。
そんなわけで、80年以上もかけて広まった古代エジプトの女医の伝説は、実は幻だったようだ。
ただ、女医だった可能性のある女性は確かに古王国時代に存在したので、この乏しい肩書の資料だけから想像力を逞しくするならば、「古代エジプトに女医はいた(可能性がある)」くらいは、言えると思う。
****
ていうか記事見てフェミニズムの人が利用しそうな話だよなーと思ってたらそもそもの話の出所がフェミニストだったので、あぁ、まぁ、うん。みたいな気分になった。まぁなー神話でもセルケト女神とか医療系の女神様いるし、女性で薬学とか通じてる人はいた可能性あるけどね…
我が国は古来から女医のソースを自前で持ち合わせておりますので、古代エジプトに頼る必要ないですよね、うん。いやー男性優位が当たり前の西洋さんは大変ですなぁー(もにょもにょしながら)
まあ簡単に結論を言うと、それらしい人はいたけど時代も名前も全然ちゃうぞ、という話である。
Celebrated ancient Egyptian woman physician likely never existed
https://archaeologynewsnetwork.blogspot.com/2019/12/celebrated-ancient-egyptian-woman.html
※ググってみたら日本語のwikipediaにもいた…。

そもそもこのメリトプタハという女医は、1938年にKate Campbell Hurd-Meadという人物が出版した本が初出だという。ググってみると、「医学における女性の役割を促進した先駆的なフェミニストおよび産科医」と出て来た。1938年に出版された彼女の本は、古代から19世紀に至るまでの「医学における女性の歴史」だそうだ。
この本の中で、メリトプタハは古代に実在した女性医師として、「王家の谷で発見された司祭の母親」「古王国時代の人物」「主任医師」と紹介されたのだが、探しても該当人物が見つからない。
そもそも古王国時代の墓は王家の谷にはない。
探していくうちに、アケトヘテプ(Akhethetep)という別の人物が見つかった。ギザで発掘された古王国時代の墓で、墓の中の文章で母親のペセシェト(Peseshet)に対して「癒し手の女性たちの監督者」という肩書を与えているのだという。
墓が発見されたのも1929-30年なので本の執筆されていた時代と符号する。
この記事では、Hurd-Meadが人物名、発見場所、彼女が生きていた時代などを色々ごっちゃにして本を書いてしまったのだろう。と結論づけている。まあ、うーん、なんというか。…本というソースがあれば、専門家でもない限りそれ以上深く調べることは無いだろうし、そもそも載ってる本が医学史の本なので考古学や人文系の人は手に取らなさそうなんだよな。
そんなわけで、80年以上もかけて広まった古代エジプトの女医の伝説は、実は幻だったようだ。
ただ、女医だった可能性のある女性は確かに古王国時代に存在したので、この乏しい肩書の資料だけから想像力を逞しくするならば、「古代エジプトに女医はいた(可能性がある)」くらいは、言えると思う。
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ていうか記事見てフェミニズムの人が利用しそうな話だよなーと思ってたらそもそもの話の出所がフェミニストだったので、あぁ、まぁ、うん。みたいな気分になった。まぁなー神話でもセルケト女神とか医療系の女神様いるし、女性で薬学とか通じてる人はいた可能性あるけどね…
我が国は古来から女医のソースを自前で持ち合わせておりますので、古代エジプトに頼る必要ないですよね、うん。いやー男性優位が当たり前の西洋さんは大変ですなぁー(もにょもにょしながら)