イランで発見された謎の「長城」の正体は? …今後の調査に期待だ!

年末に忙しくて拾い損ねていた発見の一つ。
イラン西部で見つかった、石で作られた謎の「長城」。その大きさから、"ハドリアヌスの長城"とも比較されているが、今のところ正確に「いつ」、「誰が」、「何のために」築いたのかは不明。なんともミステリアスな壁である。

Ancient 70-Mile-Long Wall Found in Western Iran. But Who Built It?
iran.PNG

実は地元民は昔から、この壁があることを知っていた。地元では「Gawri Wall」ガウリ・ウォール、と呼ばれており、この名前で検索すると情報が出てくる。幅は約4m、高さ約3m、長さは71マイル (115km)にも及ぶ、まさに「長城」だ。こんな大規模な遺跡が、今まで世間に知られることなく埋もれていたことに驚く。同時に、そんな壁が衛星写真なら一目瞭然に判る今の時代すげぇな…とも思う。

urn_cambridge.org_id_binary_20190809110031876-0506_S0003598X19000978_S0003598X19000978_fig2t.jpg

iran2.PNG

https://www.cambridge.org/core/journals/antiquity/article/gawri-wall-a-possible-parthosasanian-structure-in-the-western-foothills-of-the-zagros-mountains/C0BAF0AB27D9349C3DAD4D9F33F5324C/core-reader

これだけの規模の建造物を作るには、労働力と資源と権力を持ち合わせていなければ難しいだろう。そのため現在では、、パルティアかサーサーン朝によるものではないか、と推測されている。

もしどちらかの帝国によるものだとしたら、この壁の目的は一体何だったのだろうか。
国境を示すためのものか。はたまた外敵の侵入を防ぐためか。ハドリアヌスの長城にしろ、有名な万里の長城にしろ、「壁」は常に何かと何かの境界線であり、何かの侵入または逃走を防ぐためのものであることが多かった。

この壁に秘められたドラマはどんなものなのか、今後の調査で明らかになることを期待したい。

この記事へのトラックバック