蛮族のための井戸制圧マニュアル ~毒を投入される前に~

この記事は、元々「蛮族が井戸に毒を入れること」を想定して資料を集めていた。しかし、検討しているうちに急遽、方針変更したものになります。

ある街で戦争に関連して井戸に毒が入れられる場合、攻める側が「相手の戦力を減らすために井戸に毒を入れる」場合と、守る側が撤退前に「嫌がらせとして井戸を使えなくするために毒を入れる」という場合の二通りが考えられます。

しかし前者を考えた場合、効率よく相手の戦力をそぐためには、かなり毒に精通していなければ難しく、また、敵陣にこっそり忍び込むスキルや、毒の正体に気付かれる前に沢山の人に水を飲んでもらう必要があるなど運任せの部分も大きくなり、あまり効率的ではありません。

後者の「井戸に毒を入れる」シチュエーションは、言ってみれば逃げる側が村を焼くついでに井戸も使えなくしておく焦土作戦です。そこから先へ進軍させないか、進軍速度を遅らせるための「嫌がらせ」ですが、そのほうが遥かに効率的です。

つまり蛮族の皆さんなら、ヒャッハーする前よりした後で、攻め落とした街や村で水源が汚染されている心配をすることのほうが大事なわけです。

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●井戸にぶち込むのに効率的な毒とは何か

ここでまず、「井戸に毒を入れる」場合にどんな毒がいいのか、という話をします。

井戸は近くに川や湖がない場合の水源ですが、水量は場所によってかなり違います。じわじわ染み出してくるタイプであまり水量が多くないため砂混じりの場合もあれば、こんこんと湧き出してくるタイプでそこそこ水量の多い場合もあります。また、地表から染み込んだ雨などが滲みだしてくるタイプだと雨季から一定期間は使えるけど乾季の終わりになると使えなくなってる、なんてこともあります。

水量が多い井戸は、たとえ毒をぶち込んでもすぐに希釈されてしまい、効果が薄いです。少量で効く毒もありますが、そうした毒は取り扱いがかなり難しく、指に付いた毒を舐めただけで自分が死んでしまうので、リスクが高すぎます。

つまり、使える毒はとても限られ、量を揃えるのが大変な上に、取扱注意で、それを持ってこっそり敵陣に忍び込むのはあまり現実的ではありません。「井戸に毒放り込めば簡単に街を落とせるだろ」と思っている蛮族の皆さんには再考をお願いしたいです。

また、小さな農村ならともかく、相手が「城」だった場合、そもそも水源にたどり着くのが困難です。
攻め寄せられることを想定して作られた「城」=砦 の場合、当然ながら井戸が汚染されることは想定済みです。そのため、一般的に井戸は守りやすい場所に作られます。

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こんな感じで。これなら、守る側からすれば籠城戦になった時も安心ですよね。

ここに忍び込むのはアサシンでもなきゃ無理です。ヴァンダリアンはまずクラスチェンジを要求されます。というかアサシンになれるんなら、井戸に毒入れるより城主の首取りに行ったほうが早いですね。

ですので、攻める側が毒を入れに行くのはあまりオススメしません。そんなめんどいことするより、力業で速やかに蹂躙したほうが確実です。



●実は毒より強力なものがある

次に、守る側がもう守り切れないと悟り、焦土作戦に出て水源を汚染してから逃げる場合についてです。先述したように、井戸にぶちこめる毒の種類は限られる上に量を揃えられるとは限りません。
しかし、すぐに手に入る上にすぐ量が揃う、簡単な毒が一つあるのです。

それが人糞。

これは日本の戦国時代でも頻繁に使われてきた手段ですが、井戸にう●こブチこんで大腸菌その他のやべーやつらで汚染しておくと、次にそこを占領して水を飲んだ敵がお腹こわします。つまり毒というより病原体で汚染する方法です。これは本当にヤバいです。近代の軍隊でさえ、これで何度も壊滅しかかっています。

ですので、街や村を制圧したら、そこの水源がまだ使えるかどうか、まず適当な下級兵に水を飲ませて、最低数時間は様子を見ることをお勧めします。飲んだ時にヘンな味が下とか、お腹の調子が悪くなったとか、何か体の異常を訴えていたら気を付けたほうがいいでしょう。

また、井戸に死体が放り込まれていた場合などは飲むのはもってのほかです。
その死体はおそらく疫病にかかっているやつです。病原菌がぶちまけられているはずなので、井戸を使ってはいけないのはもちろん、その集落は焼き払っておいたほうがいいです。
どんな極悪非道な手も使う、それが戦争です。


●それでも毒を盛られてしまったら…

しかし、どんなに注意を払っても、井戸にぶち込まれた毒を食らってしまうことは在り得ます。砂漠を進軍していてオアシスの集落を制圧した後など、気が緩んでうっかり井戸の水をよく確かめもせず口にしてしまうことがあるかもしれません。
そんな時は、動ける者だけで速やかにその場を撤退しましょう。動けない奴は置いていくことです。回復を待つためにその場に留まっていると、毒の効果を見に援軍を連れて戻って来た連中に追撃を食らう可能性があります。

蛮族の皆さんはわりと撤退戦が苦手なことが多いのですが、戦って死ぬならともかく毒で全滅はめちゃくちゃカッコ悪い、これを胸に留め、部下にも強く言い含めて下さい。いったん退いて体制を整えてから皆殺しに戻って来ましょう。


●井戸に毒を投げ込まれる前にすべきこと

さて、ここまで色々と書いてきましたが、いずれにせよ、攻める側の視点をまとめると、「敵陣に潜入して井戸に毒を放り込むとか面倒なので普通に攻めたほうがいい」「井戸を毒で汚染される前に攻め落とせればいい」というシンプルな解が導き出されます。もし攻め落とすのに時間がかかり、包囲戦になった場合、包囲された側で疫病が発生してその死体で水源が汚染されるなどの可能性が出てくるため厄介ですが、そうでなければ、井戸に毒をぶち込む奴はそうそういるものでもありません。

しかし、念には念を入れておくべきです。

制圧した集落を自分たちの拠点にしたい場合は、井戸に毒をぶち込まれるのを防ぐために、水源から制圧していきましょう。街や村のどのあたりに井戸があるか、城であれば城のどこらへんかを調べておきます。その方向から攻めるのです。

人間は水が無いと生きていけませんから、ぶっちゃけ水源を押さえればその時点で勝てる、とも言えます。住民の全滅が目的の場合は出入り口を押さえ、街の確保が優先であれば水源から押さえる、略奪が目的であれば食糧庫から、と、その時々の目的に応じた戦略をもつことで、伝説の蛮族王もニッコリの一流蛮族への道が切り開かれることでしょう。



"** 蛮族の皆さんへ おねがい **

街や村を攻め落とす時は、井戸に毒をぶち込まれる前に速やかに攻め滅ぼし、水源を押さえましょう。
陥落させたあとは、水源が清浄であるかを確認して下さい。
仲間の体に異常が出た場合は速やかに飲用を止め、その場を離れて下さい。"



それでは皆さん、良い征服ライフを!



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