コロナ影響で博物館・美術館がピンチ。これからもそこで推しに逢うためには…

新型コロナウィルスの影響は様々な業界に影響を及ぼしているが、一定期間の閉館を余儀なくされた美術館・博物館も当然、財政的に厳しくなっている。さらに今後も密な状態を防ぐために、混雑するような大規模イベントを開けなかったり、入館人数を制限したりしなければならず、短期間の回収は難しい。開館しているだけでも、入館者の体温を測ったり、受付などの消毒をしなければならなかったりと手間がかかる…。

そんな状況の中、「財政難の美術館・博物館は一部のコレクションを放出するのでは」という噂が流れはじめている。



ロックダウンが解除されても、すでに博物館や美術館の運営は危機的状況にある
https://wired.jp/2020/07/16/museums-reopen-lockdown-broke/



いま現在は噂レベルなのだが、事実として、閉館の可能性のある施設も存在する。
というか、たとえば今、お近くの博物館や美術館に行ってみれば判るのだが、けっこうガラガラなんである。これでイベントも開けないのはかなり厳しい。


コレクションが放出された場合に起きうる問題は、売られた先が個人コレクターだった場合に「研究に仕えなくなる」「誰もが見られるものではなくなる」ということ。実際に、2014年にイギリスのノーサンプトン美術館が第一級の古代エジプト遺物をオークションに出し、そのまま個人の持ち物となって世の中から見えなくなったしまったというケースがある。



さらば、セケムカーの書記座像。イギリスで競売にかけられた一級品のエジプト・コレクション輸出される
https://55096962.seesaa.net/article/201605article_15.html



金はあるところにはあるもので、経営難の施設から流出した遺物などが個人の手に渡る可能性は少なくない。パブリックな環境で誰もが触れることの出来た文化遺産が、経済の停滞のせいで見られなくなってしまうかもしれないんである。
これを防ぐ方法は、実際のところ、あまり無い。
美術館や博物館が直接クラウドファンディングなどで資金集めをしてくれればいいのだが、個人のクラファンで賄いきれないほどの負債を負ってしまった場合は、閉館してコレクションをよそへ移すか、一部の高価な品を売却して残りを守るか、である。
国の援助という手もあるが、とてもすべての施設を救えるとも思えないし、税金に跳ね返ってくるので何とも言えない…。

一個人としては、推しのある施設にせっせと通うしかないのであった…。(´;ω;`)

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