お願いだからティグリス川とユーフラテス川を区別してほしい…水量が減ってピンチな隠れた理由「水路が適当」

記事が雑! 言いたいこと判るけど記事が雑!! 2つの川は全然別モノ…!

チグリス・ユーフラテス川が干上がる? 上流のダム建設で流量激減
https://www.afpbb.com/articles/-/3304516

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ティグリス川もユーフラテス川もトルコに水源があるんだけど、大型ダムが作られているのはティグリス川のほう。
ユーフラテス川は途中でシリア通ってるから全然ルート違うんだよ。なので両方いっしょくたにして「上流にダムが出来たので水量が減った」ってのは言い方としておかしい。

最近トルコで稼働開始したウルス・ダム(イリス・ダム)も、ティグリス川のほう。

トルコのダム建設で多数の遺跡が水没 ウルス・ダム
https://55096962.seesaa.net/article/201404article_1.html

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そして、記事内には少ししか書かれていないけれど、ティグリス川は流れが急な「暴れ川」で、上流に雨が降ると下流で大洪水を引き起こす原因にもなっていた。メソポタミアの神話にある「大洪水」の原因になったのは、ほとんどがティグリス川だとされる。ユーフラテス川は流れがゆるやか、かつ途中に湖があるので、急激な増水は起きにくいのだ。

古代エジプトに「洪水」は無く、メソポタミアに「洪水」はあった 
https://55096962.seesaa.net/article/200905article_29.html

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だから、治水のために川にダムを作ること自体は自然な流れである。
というかむしろ、洪水から下流の都市を守るためには必須であった。イラクもモースルに巨大ダムを作っている。近代においては、そのダムが発電や水資源の確保という意味も合わせ持つから、お互い意地になって競争してるみたいになってるだけだ。

そして、実は下流で水量が足りなくなっている隠れた理由が、もう一つある。

無駄遣いである。



これについては、少し古いが10年ほど前の調査資料が上がっている。
トルコやイラクの河川沿いの地域では、天水農業が出来ないので川の水に頼って畑作をしているところが多い。その畑で使う水を、水路から無駄に垂れ流しまくって途中で蒸発させている、というのだ。

http://www.jiid.or.jp/ardec/ardec54/ard54_key_note2.html

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実はこれ、エジプトでナイル川の水が足りなくなってる理由と全く同じなんだ…。
上流で沙漠を農地にする計画をぶちあげて、沙漠にガンガン水を流してたら、下流のほうで取水制限がかかるようになってしまったという。
だからイラクの場合、上流のダム云々の話よりは、国内の水の利用方法を効率化したほうがいい。日本じゃないんだからさ。ほっといても死ぬほど雨降って水道からジャブジャブ使いたい放題な真水大国の我が国じゃないんだからさ。限りある資源は…大切に…。

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