エジプト・エスナの神殿をクリーニングしていたら新しい「星座の名前」が見つかった、という話
エジプト南部のエスナ(ルクソールより55キロくらい南にある)にあるクヌム神殿は、プトレマイオス朝~ローマ属州時代にかけて作られた、古代エジプトの歴史の中では最も新しい時代の神殿の一つ。最後に工事が行われたのは紀元後250年頃。なので厳密には古代エジプトの遺跡かどうか微妙なラインで、文字や芸術の様式は新しい時代のものが採用されているのだが、そこはそれ。
デンデラのハトホル神殿やエドフのホルス神殿とよく似た外見をしているが、ハトホル神殿もだいたい同じくらいの時代に作られているからだ。外見だけでなく構造や、描かれているものも似ている。デンデラのハトホル神殿は星座図で有名だが、このエスナの神殿にも同じように星座をモチーフにした絵があり、それが今回の話の本題になる。
Ancient Egyptian temple reveals previously unknown star constellations
https://www.livescience.com/ancient-egyptian-star-constellations.html
「新しい星座の名前が見つかった」というこのニュースだけだと分かりづらいが、実は古代エジプトの星座は名前が分からないものが多い。デンデラの星座図も、「図」はあるけど名前書いてないから、どれが何て名前なのか知られていないのだ。
Dendera zodiac
https://en.wikipedia.org/wiki/Dendera_zodiac
(黄道十二宮になぞらえてゾディアックと呼ばれることが多いけど12宮の星座には対応していない)
(これは365日の夜空を表した図)
で、デンデラと同じ時代に作られたエスナの神殿にも似たような表現があり、そこをクリーニングしている最中、新たに、今まで知られていなかった星座の名前が見つかった、という話なのだ。今回判明したのは「(太陽神)ラーの鵞鳥」という名前の星座ほか幾つか、だそう。ただし、実際の星空のどの部分に該当するかは分かっていないそうだ。デンデラの星座図や同時代の記録付き合わせれば、もしかしたら今後なにか判るかもしれないけれど…。
クリーニングしたら何で名前が判るようになるのか? については、そもそものこのプロジェクトのページを見ると判る。
2000年近く経って色あせてしまった部分の汚れを拭い去ると、ご覧のとおり、色鮮やかに文字もはっきり読み取れる状態に。
https://uni-tuebingen.de/en/fakultaeten/philosophische-fakultaet/fachbereiche/altertums-und-kunstwissenschaften/institut-fuer-die-kulturen-des-alten-orients-ianes/forschung/aegyptologie/projekte/the-temple-of-esna/
エジプトの神殿、とくに天井部分はランプの煤で汚れてることが多くて、煤を取るだけでもだいぶ色が変わるらしいんですよね…。
それにしても数千年経ってもこの色鮮やかさ。さすがエジプト、乾燥してる国は保存強い。エスナはまだ行ったことがないので、いつかエジプト観光に安全に行けるようになったら訪ねてみたいな…。
デンデラのハトホル神殿やエドフのホルス神殿とよく似た外見をしているが、ハトホル神殿もだいたい同じくらいの時代に作られているからだ。外見だけでなく構造や、描かれているものも似ている。デンデラのハトホル神殿は星座図で有名だが、このエスナの神殿にも同じように星座をモチーフにした絵があり、それが今回の話の本題になる。
Ancient Egyptian temple reveals previously unknown star constellations
https://www.livescience.com/ancient-egyptian-star-constellations.html
「新しい星座の名前が見つかった」というこのニュースだけだと分かりづらいが、実は古代エジプトの星座は名前が分からないものが多い。デンデラの星座図も、「図」はあるけど名前書いてないから、どれが何て名前なのか知られていないのだ。
Dendera zodiac
https://en.wikipedia.org/wiki/Dendera_zodiac
(黄道十二宮になぞらえてゾディアックと呼ばれることが多いけど12宮の星座には対応していない)
(これは365日の夜空を表した図)
で、デンデラと同じ時代に作られたエスナの神殿にも似たような表現があり、そこをクリーニングしている最中、新たに、今まで知られていなかった星座の名前が見つかった、という話なのだ。今回判明したのは「(太陽神)ラーの鵞鳥」という名前の星座ほか幾つか、だそう。ただし、実際の星空のどの部分に該当するかは分かっていないそうだ。デンデラの星座図や同時代の記録付き合わせれば、もしかしたら今後なにか判るかもしれないけれど…。
クリーニングしたら何で名前が判るようになるのか? については、そもそものこのプロジェクトのページを見ると判る。
2000年近く経って色あせてしまった部分の汚れを拭い去ると、ご覧のとおり、色鮮やかに文字もはっきり読み取れる状態に。
https://uni-tuebingen.de/en/fakultaeten/philosophische-fakultaet/fachbereiche/altertums-und-kunstwissenschaften/institut-fuer-die-kulturen-des-alten-orients-ianes/forschung/aegyptologie/projekte/the-temple-of-esna/
エジプトの神殿、とくに天井部分はランプの煤で汚れてることが多くて、煤を取るだけでもだいぶ色が変わるらしいんですよね…。
それにしても数千年経ってもこの色鮮やかさ。さすがエジプト、乾燥してる国は保存強い。エスナはまだ行ったことがないので、いつかエジプト観光に安全に行けるようになったら訪ねてみたいな…。