石器時代の人々は何を着ていたか。チャタル・ホユックから発見された布の材料は意外なものだった

へえ、こんな材料で布って作れるのかー、という話。
トルコにある、世界最古の都市と呼ばれることもあるチャタル・ホユックの遺跡から発見された布は、獣の皮や亜麻などではなく、木の繊維から出来ていたという。

Unearthed textiles from Stone Age settlement reveals history of clothes making
https://phys.org/news/2021-11-unearthed-textiles-stone-age-settlement.html

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発見された布から検出された材料は、樫の木のbast fiberだという。これは木の繊維というしかないものなのだが、ググって画像を見ると分かると思う。

こういうやつね!

https://spinoffmagazine.com/local-bast-adventures-in-wild-retting/
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時間はかかるけど、水につけて柔らかくしていくとちゃんと糸のようになるらしい。
こういうので麻袋の代用品を作ることは現代でもあるらしいのだが…果たして肌触りはいかに。作るのに手間はかかりそう。

まさかこんなので服作ってたとは思わなったし、木材から服って作れるんだ…? みたいな。しかし考えてみれば、羊の飼育が始まっていたとしても羊毛の服では夏は暑いし、涼しい麻布は麻の栽培が開始されないと作れないし、使える素材の種類も限られてるんだなあ、と。
重要なのは、石器時代といえど織物は存在したということで、これは日本の縄文時代に同様の服が存在したことを考えても特に不思議ではない。

気になったのは、都市の人口が多ければ多いほど、必要となる服の材料=木材が大量に必要なことで、果たして人口を支えられるだけの森が存在したのだろうか、ということだ。
縄文時代だと、資源を枯渇させないために繊維をとる葛を採取していい時期や人数を制限して管理していたそうだが、チャタル・ホユック周辺でも同じことをしていたのではないかと思う。そのへんの研究も包括的にされれば面白いかもしれない。

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