初めて通しで「AKIRA」を見た。昭和の終わりに作られた「近未来もの」の面白さ

作品タイトルと「『さん』をつけろよデコ助野郎!」の有名なセリフだけは知ってるわりに内容よく知らなかったAKIRA、期間限定の無料公開やってたので見てみた。

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https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2112/24/news134.html

物語の舞台は2019年、2020年にオリンピックを控えているが70年代のような反政府デモが繰り広げられている世界で、第三次世界大戦の引き金となった超能力者の研究が進められていて…みたいな話なのだが、何しろ作られたのは1988年。昭和の終わりである。
数十年前に想像された21世紀がどうなってるかという話で、…うん、あれだ。
基本は昭和ベースでの近未来世界なので、色々と現実世界とは違うことになっている(笑

まず携帯電話もスマホもない。登場人物が公衆電話で友達と盛り上がってるのを見て、ウワーッ! 昭和だぁー!! ってなった。ポケベルもないんだよね、当時は。
あとイルミネーションが電球になってて、LEDとかがない。
テレビが分厚い。ブラウン管。
パソコンとか無いのでメカ周りがすごくアナログっぽい。
ドローンがない。監視カメラとか照明とか固定。あと追跡がヘリ。だけどバイクっぽい乗り物で宙に浮いてるやつはある。

雰囲気的にサイバーパンクというやつなんだと思うが、昭和の匂いを残す別世界線の現代という感じでなかなかおもしろい。
同じ匂いはパトレイバーでも味わえるが、なんというか、当時の「お約束」的な共通の未来像があったんだな…という感じがした。


しかしアートスタイルは海外ウケしたのも納得なスタイリッシュさで、CGなんてない手書き時代だと思えば、よくこんなになめらかに動かせたな…セル画も一枚ずつ手で塗ってたはずだよな…とか感心する出来。
あと、昭和の終わりくらいって、なぜか「いずれ人類は超能力を手に入れ制御できるようになる」というパターンのシナリオが多かった気がするのだが、この作品もまさにそんな感じだった。(一番有名な主人公の金田はノーマル側で、幼馴染の鉄雄のほうが超絶パワーを手に入れてしまう。超能力者モノで主人公と幼馴染がすれ違いから殺し合う羽目になるのも王道パターン)

予備知識がないとストーリーについていけないところは若干あるものの、観るべき部分はたくさんあるので、なるほどこれは古典的名作って言われるのも判るなー、という感じではあった。



なお、作中描かれている中で、現実の21世紀に実現しているものといえば、3D広告だ。
新宿の猫とか。ただ、サイバーパンクにお約束な、ビルの屋上に人の立体図が大量に表示されてるような世界にはなっていないよね。

昭和に想像された令和が全然違うものになっているように、今生きている我々が想像する30年後の世界も、きっと創作と現実では全く違うものになるのだろう。答え合わせのためにも、今から30年後の時代を舞台にした作品を集めておくべきかも…しれない?

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