カッパドキアの奇岩の風景「妖精の煙突」がどうやって出来るのか。現在の説を確認してみた

■ここまでの流れ
昔の本 →カッパドキアの煙突のような地形は上に玄武岩(硬い石)が載っていてキャップになっている場所が侵食して出来た
最近の本 →上の黒っぽい部分も下の部分も凝灰岩。玄武岩ではない
ウェブ上で出てくる情報 →黒い部分は藻

134577.png
https://www.tbs.co.jp/heritage/archive/20191117/

…ん? なんか言ってることが微妙に違わねぇ…?
というわけで、最近の研究がどうなっているのかを調べに言ってきた。

結論: 上の色の黒い部分も下の部分も凝灰岩には違いないが、色の差は藻ではなく岩の形成される温度の違いによる。

色の濃い硬い部分は「ignimbrite」、日本語だと溶結凝灰岩(welded tuff)。高温で固まった硬い石。
色の薄い部分は火山灰や軽石が固まったもの。つまり火山に由来する堆積岩だが形成過程と成分が若干違う。

FAIRY CHIMNEY DEVELOPMENT IN CAPPADOCIAN IGNIMBRITES
https://open.metu.edu.tr/bitstream/handle/11511/17659/index.pdf

カッパドキアといっても、めっちゃくちゃ広い。侵食された特殊な地形がある場所もかなりの広範囲に渡るため、実は今まであまり調査サれていなかった地域もあるという。これは、かつて実際にカッパドキアに行ったからよくわかる。…暑いし広いし村と村の間が何キロも離れているし、見どころ回るのに自転車とかレンタバイクで頑張ろうとすると、軽く遭難しかかるんですよね…。

カッパドキア&イスタンブール旅行記録
https://55096962.seesaa.net/article/201208article_24.html

で、カッパドキア周辺の土地は、ちょっと硬いめの溶結凝と柔らかい火山灰の地層が、何重にも重なっている状態にあるのだという。
(溶結凝灰岩は時間がたつとガスを放出する性質があるらしく、上部にガスの逃げたスカスカの穴あき部分ができるらしい)

この重なった地層の、「どこが露出しているか」「どの地層がどのくらいの分厚さか」という条件によって、奇岩の風景のでき方が異なる。
硬いとこと柔らかいとこが重なっていると、「妖精の煙突」と呼ばれるような柱状の地形になり、柔らかいところがいきなり露出してると普通に侵食されて谷になってしまう。硬いところしか露出していないと三角コーンみたいな形になる。
なるほどなー!! という感じ。

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あと、上と下に硬いとこがあると挟まれた真ん中部分だけ減ってこんな感じの寸胴になるらしい。
これ見たわ。この地形確かにカッパドキアで見た…!

FJsBXECUYAIhe2J.png

というわけで、火山からの距離による堆積物の厚さや地層の傾き、川から近いかどうかなどの条件と長年の侵食が組み合わさって、この地形になっているんだということが分かった。火山の作った大地に、時と水と風が手を加えたものだったのだ。いやー面白い。しかしそれにしても、カッパドキアのあの広大な平原にこれだけの堆積物を作った火山噴火って、どんだけ続いたんだろう。7,000万年前とかの話なのでさすがに想像もつかないが、人智を超えたスケールなのは間違いないなと思った。

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