知ってるようで知らない地磁気の話。「地磁気逆転とチバニアン」

たまには知らんジャンルの本でも読んでみるかー、と平積みされてた本を適当に手にとってみた。
タイトルの「チバニアン」は、時代区分としてはじめて日本の地名から採用された、とかで最近話題になっていたもの。詳細はてきとうにググれば出てくる。

地磁気逆転と「チバニアン」 地球の磁場は、なぜ逆転するのか (ブルーバックス) - 菅沼悠介
地磁気逆転と「チバニアン」 地球の磁場は、なぜ逆転するのか (ブルーバックス) - 菅沼悠介



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著者は地質年代にチバニアンを申請したチームの中心だった学者の一人なので、裏事情とか経緯とかも最後の方に出てくるのだが、面白いのは前半の部分で、「そもそも地磁気とは何か」「なぜ地球には地磁気があるのか」といった基本的な知識を体系的に教えてくれている。磁石が真北を差さずに場所によって若干ずれるとか、マグマは冷える時に磁気を帯びるとか、時代ごとに地磁気が強まったり弱まったりするとかは断片的に知っていたのだが、そもそもそれらが「なぜ」なのかとか、どう話がつながっているのかを意識したことがなかったのだ。

そして同時に、「実はまだ分かってないことが多い」というのも興味深く読んでいた。
地磁気は地球内部から生まれてくるもので、内部でマントルが対流して生み出されているっぽいのだが、何で強まったり弱まったり、チバニアンの時代にように逆転したりするのかがわからない。そもそも地磁気の逆転も今まで何度も起きているようなので珍しくないイベントのようだが、逆転したあとちゃんと戻ってるあたりも謎。スパコン使って計算しても解明しきれないらしいので今後の研究次第なのだろう。

また、地球以外の惑星の状況はどうなのか、という話で、どうも核の構成などによって対流が止まってしまうと地磁気がなくなるとか、活発に対流していれば地磁気が存在するのでおそらく地球と同じように強弱や逆転がありえるとかいうのも面白かった。木星って地磁気ないんだ…とかは知らなかった。
そして地磁気がなくなると太陽風の影響を受けやすくなるので水分や大気が失われてしまうというのも知らなかった…。
過去、地球は何度も地磁気の弱い時代を経験しているわけだが、その時はどうだったんだろうな、とも思った。もしかして大気の濃さとか全地球の水分量ってちょいちょい変動してるんじゃないのか、とか。

今ですら気候変動のメカニズムは複雑で、完全予想は出来ないものなのだが、地磁気の強弱と気候変動も関連しているとなると変数が増えて厄介なことになるなぁ、、と思ったりもした。

という感じで、地磁気について今まで意識していなかった様々な知識を得ることが出来た本だった。
また、マグマと同じように熱された物質は、キュリー温度以下に下がる時に磁気を獲得するため、古代に作られた土器などでも、固定された磁気を検出すれば年代特定などが出来るらしい。このへんは別途調べてみようと思う。

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