最後の巨大ラクダ、モンゴルで2万7千年前まで生存していたことが明らかに。これは夢が広がる

巨大ラクダって何だよ、という話だが、古代世界には今生き残っているよりはるかに巨大なラクダたちが存在したのである。
今回のニュースの種類とはちょっと違うが、Giant Syrian Camelという5万年くらい前までは生きていただろう種類の復元図がこんな感じ。

1345678.png

Giant Syrian Camel
https://www.theextinctions.com/camelus-moreli

ぱっと見、デカすぎてファンタジー世界のクリーチャーであり、「ラク…ダ…??」ってなると思う。だが雰囲気は間違いなくラクダ。
ちなみに、世界中のあちこちに存在したこれら巨大なラクダたちの絶滅原因は、気候変動で砂漠化したことに十分に適応出来なかったことだというから、何とも皮肉な話である。

そう、現代世界ではラクダといえば砂漠のイメージだが、彼らはもともと草原に暮らしていて、次第に砂漠化していく草原で生き抜くために仕方なく乾燥に強い体になり、今に至るのである。


そんな巨大ラクダ一族の最後の生き残りであるCamelus knoblochiが、2万7千年前という比較的最近まで、モンゴル高原に生きていたことが分かったのだという。

Last of the giant camels and archaic humans lived together in Mongolia until 27,000 years ago
by Frontiers
https://phys.org/news/2022-03-giant-camels-archaic-humans-mongolia.amp

*Last of the giant camels っていうのがもう、字面が強い…w

1457889.png

現代のモンゴルを思い浮かべるとなんとなく想像がつくが、森林地帯は少なく、ほとんどが乾燥した平原となっている。気候変動によって草が少なくなっていく中、この巨体を維持することは難しかった。
おそらく種同士の競争もあったのだろう、最終的に、他の小型のラクダたちは生き残り、巨大ラクダは最後の地においても絶滅してしまった。

しかし、2万7千年前といえば、現生人類は既に日本に進出し、可能性によっては南北アメリカにも一部が到達していたかも知れない時期。
この巨大ラクダは、一時期までは、現生人類(そしてデニソワ人やネアンデルタール)とも共存していたかもしれない。あるいは狩って食べることもあったかもしれない。

巨大ラクダ、現代人感覚だとちょっと近づきがたい威容だけれど、古代人にはどう見えていたんだろうか。マンモスに向かっていくくらい平気な野蛮種族ヒトのことだから、とりあえず狙って食ってみたりしたのかな…。
ほんの数万年前のことなのに、今からは想像もつかない生き物たちが闊歩するファンタジーみたいな世界があったのだと思うと、ちょっと楽しい。


なお今の所、今の所は、だが、この巨大ラクダの絶滅の主要因は気候変動であり、人類が食い尽くしたことにはなっていない。
皆様ご安心(?)下さい。

この記事へのトラックバック