4万年前の人骨は現代人の「祖先」と言えるのか。オーストラリアの「ムンゴ・マン」人骨、再埋葬されることに

オーストラリアの先住民アボリジニの祖先の骨が再埋葬されることになった、と聞いて、ふーん? と思いながらニュース開いたら思ってた内容とだいぶ違ってた。
対象の人骨が4万2千年前のものだった。

えっいや…確かにオーストラリアの先住民は、近代の研究では5-6万年前に居住してきた人間の子孫だとされているから、どっかで繋がってはいるんだろうけど…。
4万年以上前の人骨の「子孫」が権利を主張して「再埋葬」とは…???

Mungo Man: 42,000-year-old Aboriginal remains to be reburied
https://www.bbc.com/news/world-australia-61006118

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今回は、ムンゴ・マン(ムンゴ湖の近くで見つかったためそう名付けられた)を含むオーストラリアで発見された108体ぶんの人骨が、「アボリジニの祖先」として、活動家たちの求めに応じて国立公園内に再埋葬されることになっている、という。しかし物議を醸しているのは、全てのアボリジニが同意したわけではない、というところ。

当たり前だが、4万年以上も前の骨なので、現代に生きる誰の祖先なのかなんて分からないわけである…。
現代のアボリジニとはまぁ、どこかで繋がってるんだろうな、くらいは百歩ゆずってアリだと思う。しかし直接的な繋がりなど立証しようもないので、今生きているアボリジニ全員の祖先である、となる。そうすると、ある活動団体は埋葬すべきだと言い、別の団体は研究して自分たちの歴史を知るべきだといい、またまた別の団体は研究せずにそっと保管しておけばいい、と主張することもあり得る。

まぁ、なのでモメているのは「当たり前だろ」という感じなのだが、それにしても、よくこんな古い骨を現代に生きるアボリジニと結びつけたもんだな…という感じ。

先住民による遺骨返還運動は、世界各国で見られる。
アメリカならインディオやイヌイット、日本だとアイヌとか。そういうのが無いのは、中国のように政府に従順な少数民族しか認められない国がとほんどだ。

しかし、さすがにここまで古い骨に対しての運動は、あまり見かけない。

調べてみると、この「ムンゴ・マン」が見つかった1970年代というのはアボリジニの復権運動が盛んだった時期で、その旗印のような存在として使われていたのだそうだ。
何やら利権団体の意図とか政治的なアレとかが絡んでそうで、そういうので考古学や人類学のジャンルが左右されるのはどうなんだろうな…と、ちょっともにょる次第。

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