プレイするのに「教養」を要求されるハードルの高さ…放置していたアサシンクリード・ヴァルハラをクリアしてみた。

バグがあまりにも多く、メインストーリー中盤で進行不能&セーブデータクラッシュの悲劇に遭いそのまま放置していた「アサシンクリード」シリーズの最新作、「ヴァルハラ」。北欧神話+イングランド七王国時代、というモチーフで、主人公はノルウェーから移住していくヴァイキングである。

さすがに2年経ち、致命的なバグは潰され終わってるようなので久しぶりにプレイしてみることにした。
…ちなみにクラッシュしたセーブデータは起動出来たものの、最後にやったイベント2つぶんくらいが巻き戻っており、なんか中途半端なところから再開となっていた。あと、強化したのにリセットされた武器や装備品は直っていなかった。(´・ω・`)

スクショは、撮ると高確率でフリーズするというバグが修正されていなかったため、本編プレイの画像はほぼ無い。まぁ、もう、そもそもすぎて何も言えないんだ…。

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※ちなみに2年前のプレイ感想はこちら

アサシンクリード・ヴァルハラ序盤プレイ感想「ゲーマー以外は高確率で脱落する玄人向けアクションゲー」
https://55096962.seesaa.net/article/202011article_13.html


■ネタバレ感想ーこのゲームの「オチ」

発売から二年も経ってるゲームなので今さらネタバレもないと思うので書くが、主人公はオーディンの転生体である。正確に言うと、オーディンに該当する超古代文明の担い手のリーダーが、世界の破滅を察知して、いつか蘇るために準備しておいた器なのである。(アサクリシリーズは、超古代文明=第一文明の遺跡が世界各地にある、というSF要素のあるゲーム)

なので、謎のイマジネーション空間でいきなりオーディン話しかけてきたりするのは、あれは過去の自分と記憶/意識が交錯しているシーンになる。
ただ、そういう説明が本編中に全く無く、北欧神話の基礎知識がないと思わせぶりなストーリーの意味が全然分からない

「ハーヴィ」がオーディンの別名ってのも、今の時代ならウィキペディアとか見れば分かるけど。あの玉座がフリズスキャールヴなのも知ってる人なら一瞬で気づくんだけど。
ゲームしながらWikiググる人あんまりいないよね…。
何でいきなり巨人族とか出て来てんの? とか、なんでロキが最初からキレッキレなの? とかは、北欧神話の基本ストーリーを知らないとサッパリだと思う。私はたまたま北欧神わりと知ってるほうだったから伏線に気づけたけど、そうじゃない人は置いてきぼりだろう。

という感じで、このシリーズでは、かつて古代文明が「神話」として現代に伝わる、という下敷きがお約束となっている。エジプト編だと、エジプト神話のオシリスとかイシスとかが超古代文明の古代人。今回だと北欧神話の神々が古代人。
なので、まず前提となる神話世界の知識がないと理解できないのだ。

ラグナロクで滅びた北欧神話の神々は、実は滅びの前に転生していた…という話になっていて、自分の身の回りにいる人たちや、登場人物のご先祖様たちが、フレイだったりトールだったりする。ちょいちょい宗教じみた謎の言動をとる義兄上は、前世で一緒にフェンリル拘束を頑張った相棒・チュールの転生体である。
だから途中で義兄上がさらわれてメンタル追い詰められた時になんかおかしくなってるのは、あれは、前世の記憶をビジョンとして思い出してるからなのだ。フルケがやったのは前世の記憶解放。…という話なんだが、まぁ、いきなり普通の人が「ヴァルハラへの門が見える…!」とか言い出したらヤベーなこの人、って思いますわね。

そのため、義兄上の正体に早めに気づけた人と、そうじゃない人とで、エンディング分岐につながる選択肢をどう選んだかさえ違ってくるのではないかと思う。この人、法の番人で裁き手だったチュールなんだな? って分かれば、居住地での審判シーンで何か無茶なこと言ってても、「それは彼の特権だから」って一歩引けるんだけどね。
ゲーム本編で与えられる情報では足りず、ゲーム外で知識を持っているかでグッドエンドの難易度が変わるのは、フェアな作りではないなと思った。


■ゲームとしての全体バランスの悪さ

今作は、ワールドマップの探検が苦痛な作りになっており、あまり探索をしないままメインストーリーだけクリアしてしまった。
理由は、サブイベントに手間がかかるので、そっちをやってるとメインストーリーで何やってたか忘れてしまうからだ。本編があまりにも長く、セリフも登場人物も多く、しかも七王国時代なので各王国の勢力が複雑にからみあっているため、一気にプレイしないと、「…この人だれだっけ」とか「…この領地っていま状態どうなんだっけ」とか「どこまでイベント進めたか分からん…次に会うの誰だよ…」とか、しょっちゅう詰まってしまうのである。

にも関わらず、サブイベントの謎解きやパズルをやらないとレベルが上がらない。自然にレベルアップするならまだしも、意図的に「脱線」していかないと楽にクリア出来ない状態なので、必然的に戦闘はキツくなる。

なんか今作は、「大作」というより「大作風に手間だけかかるようにした時間稼ぎコンテンツの集合体」であり、プレイしていて爽快感はほぼ無かった。
本編のメインストーリーは歴史RPG、アイテム集めやサブイベントはアクションゲー、謎解きパートはパズル、と、ゲームの各パーツが全然別の方向で作られているため、部分的には面白いのだが全体のバランスは最悪に近い。

せめて宝箱と鍵を別々にするのをどうにかしろよ、とか、せめて略奪・襲撃イベント必須の場面を減らしてくれよ、とか、メインイベント進めるのに石積みとか一気飲み大会とかのミニゲームを必須にするなよ、とかは言いたい。


■歴史ゲームとして特化すれば面白い(かもしれない)

今作は、アクションゲーとしてはあまりにも操作性がダメだった。
売りだったはずのステルスアクションがほぼ意味を成してないのと、初代の時のような酔っぱらい勧誘や群衆に紛れるアクションが実装されてるわりに使い物にならない。。。
パリィのタイミングもシビアだし、大技の特技も使いづらく、効率重視でスキルを組むと最適解がほぼ限られてしまうのだ。

なので、歴史ゲームとしての側面を楽しむしかないのかなと思う。
ヴァイキング時代のロングハウスにお邪魔できたり、ロングシップを漕ぎ漕ぎして外洋に乗り出したり、スカイ島やヴィンランドまで出かけたり出来るのは、ストーリーと絡まない場所で自由にやってる分には楽しい。あとイングランド各地に残る巨石遺跡や、ローマ支配時代の遺跡あさりは結構面白かった。(本拠地にいるローマかぶれの人とかもいいキャラだった)

言ってしまえば「サブイベントとミニゲームが邪魔」とも言える。
…せめてストーリー必須じゃなければ。あと、手間がかかりすぎなければ。


■良かったところ:BGM

BGMは…好きだった…。
ロングシップで川下りしてる時に歌ってくれる歌とか。ただ、その歌聞いてる時に川岸から矢を射掛けられたりするのでめっちゃ微妙。


■全体を通して

序盤プレイ時と同じく、このゲームを人に勧めることはないだろうと思う。
何せ、最低限、ノルウェーヴァイキングの価値観や歴史概要と、北欧神話のストーリーを事前に知っていないとストーリーについていけないという、一見さんお断りどころではないレベルの敷居の高さだからだ。

あと、PC版でやった場合ではあるのだが、操作説明がなさすぎる。
序盤はカラスを飛ばすVと、「オーディンの眼」を使うV長押しの使い分けがサッパリ分からずかなり困った。

また、石積みや釣りキャンセルなどで出てくるこの謎のキーは、実はBack spaceなのだが、キー操作マニュアルにも何処にも書いてない。とりあえずキーボード全部押してみるとかするしかない。分かるわけないわ・・・・・・!

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一気飲みのミニゲームも操作性が最悪で全然クリア出来ないし、なんかもうね。PCでプレイすんなってことなのか。
と思ってゲーム用コントローラを繋いでみたら、今度は釣りで糸をたぐり寄せるところが最悪の操作性になったので、たぶん元々のキー割り当てが腐ってる。
アクションゲーなのに操作が複雑になりすぎてアクションに爽快感がなく、フィールドではひたすら宝箱をとるために入り口探し回って時間を取られる。

ストーリーも、これがラグナロクの後日譚なんだと思えればシミジミとする部分があるが、そうじゃない人は「良く分からないうちにバンバン人が死んで終わったけど結局なんだったんだろう」くらいにしかならない気がする。
せめてもうちょっと本編内でいろいろ説明があればなあ…。
風景描写や音楽など、世界観のパーツは良かったので、もうちょっと頑張ってほしかったな、という感想です。