古代エジプトの葬送テキストの読み方が分かる!「神々と旅する冥界 来世へ」

本のタイトルと表紙デザインが、パッと見、新興宗教の教義本みたいな感じになっているが、れっきとした古代エジプト本である。
古代エジプトの葬送テキストといえば「死者の書」が有名だが、それ以前にピラミッド内部に書かれた「ピラミッド・テキスト」や、棺に書かれた「コフィン・テキスト」、さらに王家の谷の墓壁に描かれていた冥界下りの各テキストなどが、フルカラー+読み方つきで紹介されているという、なんとも親切な本になっている。

神々と旅する冥界 来世へ 〔前編〕 (図説古代エジプト誌) - 松本 弥
神々と旅する冥界 来世へ 〔前編〕 (図説古代エジプト誌) - 松本 弥

神々と旅する冥界 来世へ 〔後編〕 (図説古代エジプト誌) - 松本 弥
神々と旅する冥界 来世へ 〔後編〕 (図説古代エジプト誌) - 松本 弥

たぶん、名前は知っていても、内容がどんな感じなのかを知らない人は多いと思う。
また逆に、全訳テキストを持っていたり、内容を知っていても、実際にどう書かれているのかを見たことがないものもあるかもしれない。内容と実際、両方が揃った本は画期的だと思うし、日本語でこういうの出せる人いるんだすごいな。って感じ。

あと似たような本は英語でもあるんだけど、白黒なんで分かりづらいんだ…
そして海外本あるあるで紙質が悪い。フルカラーで上質紙使ってもらえる日本の出版業界ありがたい。これはいいものだ。エジプトマニアは入手しておくといいと思うよ…!

↓こんな感じで場面ごとに分解して説明してくれてる。難解な場面でも理解できる。
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↓ヒエログリフ講座とかやってる先生が書いてるので、読み方の説明もしてくれる
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ただし、これらの解説の中には「意味が難解でわからない」というものや、「解釈がこれで合っているのかは不明」という部分も多々ある。
文字自体は読めても意味がわからない、という文章が結構多いのである。現代の我々だって般若心経の意味を全部理解していないのに何となく写経していたりするので、現場の職人はそんなもんだったのかもしれない。あるいは、リアルタイムでその当時に生きていなければ分からない、微妙なニュアンスがあるのかもしれない。

古代人たちが何を考えてこのテキストを記したのだろう、と想像してみるのは楽しい。薄い本だが、時間は無限に吸い取られる本であった。