古代エジプト人、もしかしてヤツガシラ食べてた…? 壁画に見る野鳥の利用法

ヤツガシラとは、冠のようなトサカが特徴的な中型の野鳥である。
一度見たら忘れられない派手派手な姿と、見た目によらず(?)上品な鳴き声を持つ鳥で、エジプトのナイル川沿いやオアシスに分布している。温暖な気候の地域を好み、残念ながら日本には生息していないが、暖かい時期にたまに遠征してくることはある。

↓北アフリカにいる種類
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そのヤツガシラ、古代エジプト美術の中ではとてもよく見かける、目立つ存在である。
なにしろ頭がモサっとしているので、絵の中にいても、レリーフでも、すぐに見つけられるのだ。ヒエログリフとしても存在する。

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Hoopoe in Ancient Egypt
https://www.researchgate.net/publication/324908776_Hoopoe_in_Ancient_Egypt

だが、壁画の登場シーンを見ていたとき、ふと気づいてしまったのだ。
…これ、単に「庭にいつもの鳥が来てる~」とかじゃなく、食ってるな…?

この持ち方は、カモなど食用の鳥を捕まえて家に持って帰る時の持ち方。

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この、両側にひものついた六角形は、魚をとる場合は底引き網の表現だが、中にずらっと鳥が描かれているところからして、現代でも使われる鳥もち網だと思う。

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ヤツガシラを食用にしてる地域は現代だと聞いたことがないのだが、食べられなくはない…だろう、とは思う。というか無差別に野鳥を根こそぎにする網猟だと、そのへんにいる鳥は全部ひっかかるのでヤツガシラも入ってしまったのだと思う。
神聖な鳥ではないにしろ、そうか…当たり前に食用にするのか…みたいな、なんとなくこう、うん。あれだ。そうだよね、よく考えたら墓に描くのって好きな食べ物とか好きな風景とかだもんね。
食べるの好きな人は食用で描いて、鳴き声が好きな人は庭の木に留まってる姿で描いてもらったのかな、なんて、ちょっと想像してみたり。

ただ一つ思うのは、これだけ沢山の故人墓に出てくるからには、この鳥は、古代人にとって馴染みのある、そして死後の世界にも居て欲しいと願う鳥だったはずなのだ。
もしも墓に描いて連れていけるとしたら、私たちはどんな野鳥を選ぶだろう。

私は…
キジバトがいいな……あいつの声は休日の朝の声。