ヴァイキングはいつから活動していたのか。現在のところ最古級の証拠はエストニア
10年ちょっと前くらいにエストニアで発見された、サルメの船葬について。
家にある古い本だとまだ見つかってない時代に書かれてるものが多くて、これ出て来ないので、ついでにまとめておくことにした。
■概要
2008年と2010年にそれぞれ1つずつ船と中に収められた遺体とが見つかっている。いわゆる船葬。両方ともクリンカー造り。
最初に発見された船は大きく損傷しており、七人の遺体が生贄と思われる鷹や犬とともに埋葬されていた。二隻目は三十四体の人骨が収められており、おそらく高位の人物と推測されている。
全部で四十一人の遺体が見つかっており、盾や剣なども同時に埋葬されている。戦いによる致命傷と思われる傷が多く確認されているため、おそらく戦士団だった。
Isotopic provenancing of the Salme ship burials in Pre-Viking Age Estonia
https://www.cambridge.org/core/journals/antiquity/article/isotopic-provenancing-of-the-salme-ship-burials-in-previking-age-estonia/2104723979CFABF9B89CD36851218E62

■場所
ここ。

■被葬者について
出身地はスウェーデンで、ストックホルム周辺だったかもしれないと推測されている。
持ち物がヴェンデル期特有の美術品で、船に使われている木材などからA.D.700-750年に生きていた人物と推定されている。
年齢が特定されている骨はほとんどが25歳以下の若者だが、2隻目のほうに埋葬されていた骨で30-40歳という年齢が出ているため、この人物がリーダーだった可能性がある。
骨のいくつかは兄弟など近しい関係だった可能性もあり、一族郎党を率いて異国に遠征に行っているわけなので、プレ・ヴァイキング期といいつつ、やっていることはこの50年後くらいにブリテン島などで本格的に活動をはじめるヴァイキングの略奪遠征と変わらないように見える。
何十年か前だと、ヴァイキング時代は793年のリンディスファーン修道院襲撃をもって幕開けだ、とする記述が多かったと思うが、最近は、実際はそれより100年は早く活動を開始していて下地が出来ていた、と見る風潮のほうが強いように思う。この発見も、そちらの見解を裏付けるもものだと思う。
家にある古い本だとまだ見つかってない時代に書かれてるものが多くて、これ出て来ないので、ついでにまとめておくことにした。
■概要
2008年と2010年にそれぞれ1つずつ船と中に収められた遺体とが見つかっている。いわゆる船葬。両方ともクリンカー造り。
最初に発見された船は大きく損傷しており、七人の遺体が生贄と思われる鷹や犬とともに埋葬されていた。二隻目は三十四体の人骨が収められており、おそらく高位の人物と推測されている。
全部で四十一人の遺体が見つかっており、盾や剣なども同時に埋葬されている。戦いによる致命傷と思われる傷が多く確認されているため、おそらく戦士団だった。
Isotopic provenancing of the Salme ship burials in Pre-Viking Age Estonia
https://www.cambridge.org/core/journals/antiquity/article/isotopic-provenancing-of-the-salme-ship-burials-in-previking-age-estonia/2104723979CFABF9B89CD36851218E62
■場所
ここ。
■被葬者について
出身地はスウェーデンで、ストックホルム周辺だったかもしれないと推測されている。
持ち物がヴェンデル期特有の美術品で、船に使われている木材などからA.D.700-750年に生きていた人物と推定されている。
年齢が特定されている骨はほとんどが25歳以下の若者だが、2隻目のほうに埋葬されていた骨で30-40歳という年齢が出ているため、この人物がリーダーだった可能性がある。
骨のいくつかは兄弟など近しい関係だった可能性もあり、一族郎党を率いて異国に遠征に行っているわけなので、プレ・ヴァイキング期といいつつ、やっていることはこの50年後くらいにブリテン島などで本格的に活動をはじめるヴァイキングの略奪遠征と変わらないように見える。
何十年か前だと、ヴァイキング時代は793年のリンディスファーン修道院襲撃をもって幕開けだ、とする記述が多かったと思うが、最近は、実際はそれより100年は早く活動を開始していて下地が出来ていた、と見る風潮のほうが強いように思う。この発見も、そちらの見解を裏付けるもものだと思う。