豆知識としての「ウルシ」、漢字の成り立ちと性質から考える付き合いの始まり
この間、100年前にフランスに渡り活躍していた、知られざる漆職人のドキュメンタリーを読んだ。
なかなかおもしろい内容だったのだが、その時に「そういや漆器について何もしらんな、日本人なのに」と思い至った。
家には漆器の菓子盆くらいはあるが、めったに使わず箱に収めたまんなのだ…。
そこで何冊か本を読んで色々調べてみたのが以下。
日本の伝統工芸の一つ、漆器について調べてみた覚書き
https://55096962.seesaa.net/article/202203article_15.html
この時に見つけそこねていた内容があるので、ついでにメモしておく。
「ウルシ」という漢字の妙について、である。

妙といったのは、これ、木の名前なのによく見たら「木へん」ではなく「さんずい」の漢字なのだ。
クヌギ→櫟、ヒイラギ→柊、サクラ→桜、と、一文字で木の名前を現す場合はほぼ「木へん」の漢字になっている。それがウルシの場合はわざわざ「さんずい」で設定しているあたり、この木が最初から、木材としてではなく樹液を利用する想定で区別されていたことを示している。
さらに右側の「へん」の部分は、「木」+「人」+「水」で構成されており、「木に人が傷をつけると水が出る」と理解すると一発で記憶出来る。これも、樹液を利用していた歴史から来ているのだと思う。
そして、水にまつわる妙はもうひとつあり、なんと漆、塗ったあと「乾かす」のに「湿度を上げる」必要がある、という。
これは「漆風呂」とか「漆室(うるしむろ)」とかでググると実際にやってる人が出てくると思うが、湿度80%、温度25度前後という、いかにもアジア的な高温多湿の環境が必要なのである。つまり、乾かすといいつつ、実際は湿度を加えながら化学変化を起こさせるという過程。
そのため、梅雨時は塗っている最中にも硬化していくほどだという。
しかし考えてみれば、漆の樹液というのは元々、傷ついた場所をカバーするために出している液体なのだから、生えている土地の気候で自然に固まる性質でなければ都合が悪い。硬化するために高温多湿なアジアの気候が適しているのは当然と言える。
この性質からして、おそらく最初に漆を利用しようと思い立った人々は、たまたま木についた樹液が固まって水を弾くようになるところを見ていたのだと思う。ウルシの利用は最低でも7千年くらい前には試みられていたと考えられているが、長い付き合いなのも頷ける。
その長い付き合いの漆工芸が今では虫の息、という話もあるのだが、…とはいえ保護して無理やり活かすのもどうなのか、みたいなのがあるので、その話はここには書かない。良いものとは分かっていても、いかんせん、手が込んでいて高価なので日常使いしづらいのがね。うちの菓子盆もカントリーマア●とか入れとくにはちょっと上品すぎるしな…
助成金とか保護で活かすのではなく、必要とされる方向で生き残れるといいんですけどね。
なかなかおもしろい内容だったのだが、その時に「そういや漆器について何もしらんな、日本人なのに」と思い至った。
家には漆器の菓子盆くらいはあるが、めったに使わず箱に収めたまんなのだ…。
そこで何冊か本を読んで色々調べてみたのが以下。
日本の伝統工芸の一つ、漆器について調べてみた覚書き
https://55096962.seesaa.net/article/202203article_15.html
この時に見つけそこねていた内容があるので、ついでにメモしておく。
「ウルシ」という漢字の妙について、である。
妙といったのは、これ、木の名前なのによく見たら「木へん」ではなく「さんずい」の漢字なのだ。
クヌギ→櫟、ヒイラギ→柊、サクラ→桜、と、一文字で木の名前を現す場合はほぼ「木へん」の漢字になっている。それがウルシの場合はわざわざ「さんずい」で設定しているあたり、この木が最初から、木材としてではなく樹液を利用する想定で区別されていたことを示している。
さらに右側の「へん」の部分は、「木」+「人」+「水」で構成されており、「木に人が傷をつけると水が出る」と理解すると一発で記憶出来る。これも、樹液を利用していた歴史から来ているのだと思う。
そして、水にまつわる妙はもうひとつあり、なんと漆、塗ったあと「乾かす」のに「湿度を上げる」必要がある、という。
これは「漆風呂」とか「漆室(うるしむろ)」とかでググると実際にやってる人が出てくると思うが、湿度80%、温度25度前後という、いかにもアジア的な高温多湿の環境が必要なのである。つまり、乾かすといいつつ、実際は湿度を加えながら化学変化を起こさせるという過程。
そのため、梅雨時は塗っている最中にも硬化していくほどだという。
しかし考えてみれば、漆の樹液というのは元々、傷ついた場所をカバーするために出している液体なのだから、生えている土地の気候で自然に固まる性質でなければ都合が悪い。硬化するために高温多湿なアジアの気候が適しているのは当然と言える。
この性質からして、おそらく最初に漆を利用しようと思い立った人々は、たまたま木についた樹液が固まって水を弾くようになるところを見ていたのだと思う。ウルシの利用は最低でも7千年くらい前には試みられていたと考えられているが、長い付き合いなのも頷ける。
その長い付き合いの漆工芸が今では虫の息、という話もあるのだが、…とはいえ保護して無理やり活かすのもどうなのか、みたいなのがあるので、その話はここには書かない。良いものとは分かっていても、いかんせん、手が込んでいて高価なので日常使いしづらいのがね。うちの菓子盆もカントリーマア●とか入れとくにはちょっと上品すぎるしな…
助成金とか保護で活かすのではなく、必要とされる方向で生き残れるといいんですけどね。