ポンペイの火山噴火の犠牲者、DNAを分析されてしまう。

火山噴火に巻き込まれ蒸し焼きにされて亡くなったのに、二千年後の学者に全塩基配列を読み取られルーツの解析をされてしまう。
そんな、古代人目線だと恐怖でしかない現実がここにある。

Pompeii victim’s genome successfully sequenced for first time
https://www.theguardian.com/world/2022/may/26/pompeii-victim-genome-successfully-sequenced-first-time

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一昔前ならありえなかった話なのだが、ポンペイの犠牲者の骨からDNAが抽出され、1体についてはDNAの中身ぜんぶデータでぶっこ抜かれてるので、ヒェッ…という感じ。これがポンペイの犠牲者についてDNAの解析に成功した初めての事例らしいのだが、この死に方でも個人情報消せないんだ、みたいな微妙な気持ちになる。

なお、分析されている対象は「職人の家」から見つかったこの男女の骨で、死に方というか死んだ時の体勢まで記録に残っている。
死んでから二千年も経ってるとはいえ、古代人の人権無いな…。

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死者のうち男性は3-40歳、女性は50歳くらい。
骨からして、どちらも病気や関節炎を患っており、逃げられなかったため家の中で亡くなったのだろうとされている。
今回分析に成功したのは男性のほうだ。

DNAの情報から、彼は古代のローマ帝国人の範疇に入り、現代でいうと中央イタリア人やサルデーニャの住人に近いという。
また、男系で遺伝するY染色体については、現代のサルデーニャ人に多いタイプとのこと。先祖はアナトリア人だった可能性が高いという。
なんかそこまでルーツ解析されちゃうと、へえ…という感じである。いや、確かに古代人の民族移動の軌跡とかたどれるのは面白いんだけど。死んだほうからするとたまったもんじゃないな。

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古代人のDNAを分析する技術の発展は目覚ましい。それだけに、自分もヘタなとこで死んだら未来の学者に分析されてしまうのではないかと戦々恐々である。砂漠を旅行してる時に行方不明になるとか、遺跡の中で落盤に巻き込まれて死亡するとか、そういう死に方だけはしないように気をつけたい。