スパコン的な敵は排熱口を塞げば倒せる。リアルで考える近未来SF
最近はAIに絵を描かせるのが流行ったり、スパコンで演算処理された災害予測が日常生活でも触れられるようになってきたりと、何かとコンピュータの高性能化が取り沙汰されるようになってきている。
もっとSFや現代が部隊のファンタジー作品では、だいぶ前から「人間を越える知能を持つ人工知能」という存在が活躍していた。指示を出していたボスの正体がデカいスパコンだったとか、敵の正体が衛星内に積み込まれたマシン群だったとか、AIを制御するタワーが反乱を起こしたとか。
しかし中の人の職業はITインフラ屋なので、そういう敵を出されると全然怖くないんである。
なぜならシステムはトラブルですぐ止まるからだ。
・デカいスパコン → ほこりに弱い。お掃除必須
・宇宙に打ち上げてる機械 → 宇宙線と太陽風で定期的に壊れる
・AI → 完璧なアルゴリズムは作れない
そして何より、高性能な演算処理を兼ね備えたマシンほど、消費電力と排熱が凄く、従って、排熱口を塞けば楽勝で止められるのである。
●SFにありがちな展開「電源を抜く」はあまり良い手ではない
敵の正体がAIやスパコン、コンピュータだった場合にありがちな展開が「破壊」「電源抜き」である。しかしこれは実はあまり良い戦い方ではない。
なぜかというと、破壊は手間がかかるし筐体は丈夫なことが多い、電源は冗長化されているか無停電装置につながっていることがほとんどだからだ。
本体の故障と電源断は、インフラを構築する上で必ず考慮され、ある程度の障害に耐えられる設計がされている。なのでここを狙うのは手間がかかる。
●必ず存在するが冗長化されている可能性がゼロに近い場所は「排熱口」
しかし、冗長化されておらず、故障も想定されていない場所がある。それが排熱口である。ただの冷却ファンとも言う。
熱を排出する場所なので、当然ながら本体からは離れた場所にあり、構造的に単純で故障の可能性が低く、さらに1つか2つ止まっても即死はしないという考えから余分な設備を作らない。
よって、ここは警備なども手薄なはずであり、潰しさえすれば復活はしない。相手は即死しないものの、次第にオーバーヒートして能力が落ちていき、いずれは異常停止する。わりと狙い目な攻撃ポイントである。
●スパコンは凄まじい量の熱を出している
昔、量子コンピュータを動かすために絶対零度の宇宙に打ち上げるという作品があったが、演算能力の高いマシンはとにかく排熱がすごい。
実際に日本のスパコンの設備を見てみるとわかると思う。
「富岳」を支える施設
https://www.r-ccs.riken.jp/fugaku/facility/
また、電圧だけでなく冷却水の温度も一定に保って循環させていかないといけないので意外に繊細なんである。そう、AIでもスパコンでも、機械の体を持つ敵は実は人間より繊細。そして一回故障すると自力回復出来ない。中の人やってると全然怖くない、むしろ頭はいいけど世話に手間のかかるボス、みたいな感じになってしまう。
AI・スパコン系のボスはリアルに考えるとわりと簡単に倒せてしまうので、もし出す場合はこのへんのインフラ周りも自力でメンテ出来る能力を付与してあげてほしい。
もっとSFや現代が部隊のファンタジー作品では、だいぶ前から「人間を越える知能を持つ人工知能」という存在が活躍していた。指示を出していたボスの正体がデカいスパコンだったとか、敵の正体が衛星内に積み込まれたマシン群だったとか、AIを制御するタワーが反乱を起こしたとか。
しかし中の人の職業はITインフラ屋なので、そういう敵を出されると全然怖くないんである。
なぜならシステムはトラブルですぐ止まるからだ。
・デカいスパコン → ほこりに弱い。お掃除必須
・宇宙に打ち上げてる機械 → 宇宙線と太陽風で定期的に壊れる
・AI → 完璧なアルゴリズムは作れない
そして何より、高性能な演算処理を兼ね備えたマシンほど、消費電力と排熱が凄く、従って、排熱口を塞けば楽勝で止められるのである。
●SFにありがちな展開「電源を抜く」はあまり良い手ではない
敵の正体がAIやスパコン、コンピュータだった場合にありがちな展開が「破壊」「電源抜き」である。しかしこれは実はあまり良い戦い方ではない。
なぜかというと、破壊は手間がかかるし筐体は丈夫なことが多い、電源は冗長化されているか無停電装置につながっていることがほとんどだからだ。
本体の故障と電源断は、インフラを構築する上で必ず考慮され、ある程度の障害に耐えられる設計がされている。なのでここを狙うのは手間がかかる。
●必ず存在するが冗長化されている可能性がゼロに近い場所は「排熱口」
しかし、冗長化されておらず、故障も想定されていない場所がある。それが排熱口である。ただの冷却ファンとも言う。
熱を排出する場所なので、当然ながら本体からは離れた場所にあり、構造的に単純で故障の可能性が低く、さらに1つか2つ止まっても即死はしないという考えから余分な設備を作らない。
よって、ここは警備なども手薄なはずであり、潰しさえすれば復活はしない。相手は即死しないものの、次第にオーバーヒートして能力が落ちていき、いずれは異常停止する。わりと狙い目な攻撃ポイントである。
●スパコンは凄まじい量の熱を出している
昔、量子コンピュータを動かすために絶対零度の宇宙に打ち上げるという作品があったが、演算能力の高いマシンはとにかく排熱がすごい。
実際に日本のスパコンの設備を見てみるとわかると思う。
「富岳」を支える施設
https://www.r-ccs.riken.jp/fugaku/facility/
また、電圧だけでなく冷却水の温度も一定に保って循環させていかないといけないので意外に繊細なんである。そう、AIでもスパコンでも、機械の体を持つ敵は実は人間より繊細。そして一回故障すると自力回復出来ない。中の人やってると全然怖くない、むしろ頭はいいけど世話に手間のかかるボス、みたいな感じになってしまう。
AI・スパコン系のボスはリアルに考えるとわりと簡単に倒せてしまうので、もし出す場合はこのへんのインフラ周りも自力でメンテ出来る能力を付与してあげてほしい。