ゲーム「シヴィライゼーションⅥ」に出てくる謎エジプト神、クシュ王国の神だった

人気のストラテジーゲーム「シヴィライゼーションⅥ」に登場する守護神、Sebiumeker(多分「セビウメケル」)。
エジプト神話の神ってカテゴリにされていたけど、そんな神しらんな…と思っていた。で、ふと調べてみたら おるやん?!

というか、カテゴリがエジプト神話っていうより「ヌビアの神」。
エジプト南方、現在のスーダン中部あたりまでの地域はエジプト全盛期には植民地として支配されており、エジプトの国力が弱まると独立し、エジプト文化の影響を受けつつ独自文明として発展していく。その中で誕生した地方神なのだ。

参考: Sebiumeker(英語版Wikipedia)

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関連する神にArensnuphis(アレンスヌフィス)がいるが、どちらもそれほど古い神ではなく、おそらくプトレマスオス朝以降に信仰を集めた神だと思う。
ちなみにアレンスヌフィスは男性神なので、「夫婦」というのは誤情報かな。
http://www.moonover.jp/bekkan/god/arensnufis.htm

エジプトとヌビアの境界であるフィラエのイシス神殿で崇拝された形跡があるのは、エジプト人がキリスト教に改宗していく中、イシス神殿を最後まで守っていたのがヌビア人だということと関連していると思う。
プトレマイオス朝以降に新たに誕生もしくは台頭した新しい神や、主な活動地域がエジプト外の神はエジプト神話のカテゴリで言及されることはほぼ無いので、勉強になるな…って感じ。ていうか自分の知らないものをゲーム製作者に先に拾われていたのがなんかくやしい。

とりあえず、マイナーだけど実在する神だったんやで! ということで。