テオティワカンで見つかったクモザルはマヤ諸都市からの貢物か。犠牲獣から見る生物贈答の歴史
メキシコ高地に栄えた都市、テオティワカンでは、その地域には生息していないはずの動物が見つかっていて、マヤ低地の諸都市からの貢物ではないかと考えられている。
その貢物の一つがクモザルで、どうも人気のある動物だったらしく多数の遺骨が神殿内から見つかっている。犠牲獣でもあったらしい。
これは古代の「パンダ外交」みたいな感じだったのではないか。
という研究内容が出ていたので、ちょっとメモしておこうと思う。
Earliest evidence of primate captivity and translocation supports gift diplomacy between Teotihuacan and the Maya
https://www.pnas.org/doi/10.1073/pnas.2212431119
まず前提となる地理だが、論文内で「マヤ」と呼ばれているのはマヤ文明全体のことではなく、ユカタン半島部分のこと。
一般的にここが「マヤ地域」となる。森林地帯で、クモザルもここには生息している。
テオティワカンは、そこから1000キロほど離れたメキシコ中央部にある大都市だ。
現在の研究では、古典期マヤの交易網はマヤ地域だけでなく、周辺の大都市まで広がっていたことが明らかになっている。ジャガーやワシ、クモザルなど珍しい動物も、この交易ルートに乗って運ばれていたようだ。
これは、古代エジプトの王たちがアフリカ内陸部からヒヒやキリン、ゾウなどを輸入していたのと同じような行為だろう。権力者がやることはどこの文明圏も似通っている。
本来の生息地と異なる場所で飼育するとなると与える食べ物も苦労しそうだが、そこはサルなので、人間の食べ物とあまり変わらないものを与えられていたようだ。
なお、クモザルは愛嬌があり、現代でも動物園やペットとして人気があるが、そのため種類によっては絶滅に瀕している。
これらの珍しいサルを送ってきていたのは、マヤ地域のどの都市だったのか、どのくらいの頻度で送られていたのかまでは今回の研究からはわかっていないが、現代社会で問題になっている珍しいサルの乱獲が、実はこの時代からの伝統だった可能性もあり、「人間って変わらんよな…」という気持ちになってしまうところである。
その貢物の一つがクモザルで、どうも人気のある動物だったらしく多数の遺骨が神殿内から見つかっている。犠牲獣でもあったらしい。
これは古代の「パンダ外交」みたいな感じだったのではないか。
という研究内容が出ていたので、ちょっとメモしておこうと思う。
Earliest evidence of primate captivity and translocation supports gift diplomacy between Teotihuacan and the Maya
https://www.pnas.org/doi/10.1073/pnas.2212431119
まず前提となる地理だが、論文内で「マヤ」と呼ばれているのはマヤ文明全体のことではなく、ユカタン半島部分のこと。
一般的にここが「マヤ地域」となる。森林地帯で、クモザルもここには生息している。
テオティワカンは、そこから1000キロほど離れたメキシコ中央部にある大都市だ。
現在の研究では、古典期マヤの交易網はマヤ地域だけでなく、周辺の大都市まで広がっていたことが明らかになっている。ジャガーやワシ、クモザルなど珍しい動物も、この交易ルートに乗って運ばれていたようだ。
これは、古代エジプトの王たちがアフリカ内陸部からヒヒやキリン、ゾウなどを輸入していたのと同じような行為だろう。権力者がやることはどこの文明圏も似通っている。
本来の生息地と異なる場所で飼育するとなると与える食べ物も苦労しそうだが、そこはサルなので、人間の食べ物とあまり変わらないものを与えられていたようだ。
なお、クモザルは愛嬌があり、現代でも動物園やペットとして人気があるが、そのため種類によっては絶滅に瀕している。
これらの珍しいサルを送ってきていたのは、マヤ地域のどの都市だったのか、どのくらいの頻度で送られていたのかまでは今回の研究からはわかっていないが、現代社会で問題になっている珍しいサルの乱獲が、実はこの時代からの伝統だった可能性もあり、「人間って変わらんよな…」という気持ちになってしまうところである。