エジプト・アスワンで巨像の盗難事件発覚→実は像自体ではなく他の盗掘品が問題だった

エジプト南部のアスワンにある採石場で、未完成の10トンの像をクレーンで吊り上げていた三人の盗掘者が逮捕された、というニュースが流れていた。
10トンの像とか盗むのムリだしバレるだろww バカなのwww という話なのだが、どうもこれ、像自体を盗もうとしたというよりは、遺跡を全般的に盗掘してて像が邪魔だったのでどかそうとしたっぽい　という話なのだ。

Three people detained for attempted robbery of Ramses II statue in Upper Egypt
https://english.ahram.org.eg/NewsContent/1/1233/484043/Egypt/Courts--Law/Three-people-detained-for-attempted-robbery-of-Ram.aspx



まずこれ、盗もうとした像は形状からしてオシリス神を模したもの。未完成品なのでそのまま採石場に残されていたのだと思われる。
そして写真にもあるのだが、像をどかすためにドリルで穴をあけていたらしい。この像自体を盗んで売り払うつもりならそんなことしないわけで、扱いの雑さからしても「ここの下を盗掘したいけどこの石、邪魔だな」くらいのノリでやっている。

盗掘者たちのスマホなどからは、撮影された発掘作業の動画や他の盗掘品の像などの写真(詳細は不明)が多数見つかっているようで、背後に盗掘組織があって彼らはただの末端の下請けの可能性も高い。

驚くべきは、アスワンなんていう目立つ場所で真っ昼間にクレーン持ち込んで大っぴらにやるバカさと、それで今まで捕まってなかった当局の手の回ってなさである。まぁ確かにここ柵とかないんでご近所の人は入り込み放題だけどさ。クレーンはさすがにバレるだろ。


ちなみにエジプト政府が公式に出してる声明によると、逮捕はガチで真っ昼間のことらしい。
おもしろニュースかと思ったら、いつもの「遺跡の数が多すぎて、エジプトさん見回りの手が回ってない」って悲しい顔するやつだった。ドリルで穴開けられるまで気づけなかったのは結構痛い…。