食虫植物「いいこと思いついた。お前、俺の中で糞をしろ」※学術的な話です

食虫植物であり、観葉植物としても売られているネペンテス。
ウツボカズラとも呼ばれる。こういう感じのツボの中に溜めた液体で、足を滑らせて落ちてきたハエやアリなどを溶かしてしまうというやつだ。

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これらの植物は、栄養素の乏しい土地でなんとか生き延びるために肉食になったのだと考えられている。だが最近では、なんと「虫をとらえて栄養分に変える」以外の方法を編み出した種がいるという。――動物にわざと中に糞をさせ、その糞から栄養分を吸収するのだという。

つまり便器


This Species of Carnivorous Plant Evolved Into a Toilet And Is Now Winning at Life
https://www.sciencealert.com/this-species-of-carnivorous-plant-evolved-into-a-toilet-and-is-now-winning-at-life

元論文
Capture of mammal excreta by Nepenthes is an effective heterotrophic nutrition strategy
https://academic.oup.com/aob/article/130/7/927/6779531?login=false

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いやいや、この形で動物の便器ってファンタジーすぎるっしょ~と思って論文のほうを見てみたら、どうやら、蓋の部分から分泌する液を食べに小型のネズミやヤマカガシなどがやってくるらしいのだ。

小型の哺乳類やヘビが餌を食べに来る→大きめなので虫のように中には落ちない→食事のついでに出すもの出す→中にうんちIN

という流れで、虫をおびき寄せるのと同じシステムをそのまま哺乳類に代用しているという感じなのでアリっちゃアリ。
小型哺乳類のほうも、食虫植物の生育が良くなったほうが餌がもらえるので、わざと中に糞をしていくという共生関係を築いているようなのだ。

で、食虫植物のほうも、蓋や、下のツボ部分の大きさ・角度などを、うんちしやすい形状に少しずつ変えていて、小動物用のトイレとして進化しつつあるのでは…というのが、今回の話。なんとも面白い共生関係だがしかし、あれだ、うん、ちょっとエロいなと思ってしまった。…何がとは言わないけど。うん。 脱糞プレイ


この共生関係は昆虫が生息しづらい高地特有のものらしく、ボルネオ島の一部に特徴的な現象だという。
哺乳類と共生する植物も、糞を利用する植物も珍しくはないのだが、自らトイレとして進化するとはおそれいる。これが…生きる覚悟…。
植物の生存戦略ってすごいんだな、と思う次第。