トルコ地震の震源地に近い遺跡 Nemrut Dağ についてちょっと調べてみた。

トルコ南部~シリアについて、大地震で人的な被害もさることながら、文化財への被害も深刻だという話がでている。まだ本格的な調査が入ったわけではないが、ガジアンテップ城など一部の遺跡については地震で破壊された写真も出回っていた。
そんな中、あまり目立たない情報として、「Nemrut Dağも被害を受けた可能性がある」という話があった。なんか聞いたことない遺跡だったのでちょっと調べてみた。

ユネスコのページによると、この遺跡は山の頂上に築かれた王墓だという。コンマゲネ朝(セレウコス朝から独立)の王、アンティオコス1世のものだそうなので、紀元後1世紀。約2000年前のものになる。場所的には震源にかなり近い。

https://whc.unesco.org/en/list/448/

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こんな遺跡あったんだなぁ、という感じ。セレウコス朝から独立したこともあり、ゾロアスター教を信仰するシリア風の文化を取り入れた王朝だったそうなのがが、そのあたりはあまり詳しくない。

コンマゲネがローマ領に組み込まれる際に略奪を受けており、現在は像の一部が残されているだけのようだが、この像というのがエジプトのように一枚岩ではなく複数の石の組み合わせになっていて、「ああ、、、これ地震きたら崩れるやつや、、、」って何か察してしまった。
ていうか耐震性ぜんぜん無いな?

この地域って確か1000年に一度くらい大規模な地震食らってるはずだけど…。

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場所が2150mもある山の上のようなので、ちょっと春にならないと調査に行くのも大変そうだが、どうなっているか心配なところ。
被害があまり大きくないといいのだが…。

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2023/02/25追記

SNSで地元の方が投稿してるの見ると、無事だったそうです。写真見ると彫像は雪に埋もれて固まってたみたい。