古代エジプト人とハチミツの話。黄金色の液体はラー様の涙だった
昆虫食ならまず蜂だろ? って思いながら、そういや古代エジプト人って蜂蜜は食ってたけど蜂の子は食ってないのか…。って思って調べてみた。
結論、蜂の子はどこにも出てこないので、たぶん食ってない。
というかアフリカでもごく一部は蜂の子食ってるらしいんだけど、どうもその文化はエジプトはじめ東地中海の国にはなさそうだった。
でもそれだけで終わるとつまんないので、途中で見つけたドキュメントをメモしておこうと思う。
BEES AND BEEKEEPING IN ANCIENT EGYPT
https://jaauth.journals.ekb.eg/article_47990_882687660670d76346cdfda54f7b3e20.pdf
エジプトにいたハチの種類は、普通にApis Mellifera(セイヨウミツバチ)。ただしヨーロッパのものよりは小柄で活動的だという。
自分も把握していなかったのだが、ハチはラーの涙から生まれてきた、というラー信仰があったらしい。おそらくハチミツが金色(太陽の色)をしていたからではないかと思う。
また、他にはネイト女神やハトホル女神とも結び付けられており、特に、デンデラにおけるハトホル女神の祝祭ではハチミツを食べることが禁忌とされたという。想像だが、これはラー神の「涙」からハチが生まれたとされることと関係しているかもしれない。
ただしすべての神の祭儀で忌避されたわけではない。
テーベで行われたオペト祭ではハチミツも供物として使われている。オペト祭はラー神とのちに習合するアメン神の祭りでもあるので、アメン・ラーにとってはハチミツは禁忌でなかったことになる。
また、クヌムやミンなど生殖の神にはハチミツが好んで捧げられており、特にミン神には専門の養蜂家がついていた、という。
蜂や蜂蜜は、魂の復活とも関連づけられ、祭儀の供物としてはむしろ頻繁に登場する食材である。
墓の壁画に多数登場することからも分かるように、ハチミツは一般的に好まれた食材であり、上下エジプトの王の称号「ネスゥ・ビト」は「スゲとミツバチ」を意味するものでもあった。
ハチミツは、養蜂によって得られるものがほとんどだった。
養蜂の最古の証拠は古王国時代まで遡り、第5王朝のニウセルラー王の太陽神殿(アブシールの北)にあった。
現在はドイツ・ベルリンの新博物館に収蔵されているレリーフの中に、蜂の巣から蜜をとり、壺に封入していく一連の作業が描かれている。
また、養蜂シーンでは巣箱に煙を吹き込む姿が見られる。養蜂家は現代と同じような手段を用いて蜂の蜜を集めていたのだろう。
ハチミツにはいくつかのグレードがあったらしい。
最上とされる「白い蜂蜜」は王や神殿への捧げ物とされ、飼育されている蜂からとられるピュアハニーだったらしい。
それに対して、上エジプトの砂漠に住む野生蜂から採取する「赤い蜂蜜」もあったらしいが、こちらはそれほど品質はよくなかったようだ。
ピュアハニーより格の下がる一般向けのハチミツは「軽い蜂蜜」で、おそらく水で薄めた第二等級のもの。
さらに、砂糖代わりに使われる第三等級もあった。この第三等級のものは甘みさえあればいいという感じのもので、パンケーキや酒の風味づけに使われるなど、料理用だったらしい。
蜂蜜酒も作っていたらしいが、どの等級のものから作っていたかは不明だった。また、ハチやハチミツに関する用語にはハチの決定詞がつくのだが、その中に「蜂の子」を意味する単語が見つからなかったので、食材としては扱われてないのかなーって感じで理解した。まあ古代エジプトってそもそも昆虫食しないしなあ。タンパク質なら川で魚か鳥とればいいし、豆もたくさん食べてたし。
以上、古代エジプトのハチミツについての基本的な情報である。
結論、蜂の子はどこにも出てこないので、たぶん食ってない。
というかアフリカでもごく一部は蜂の子食ってるらしいんだけど、どうもその文化はエジプトはじめ東地中海の国にはなさそうだった。
でもそれだけで終わるとつまんないので、途中で見つけたドキュメントをメモしておこうと思う。
BEES AND BEEKEEPING IN ANCIENT EGYPT
https://jaauth.journals.ekb.eg/article_47990_882687660670d76346cdfda54f7b3e20.pdf
エジプトにいたハチの種類は、普通にApis Mellifera(セイヨウミツバチ)。ただしヨーロッパのものよりは小柄で活動的だという。
自分も把握していなかったのだが、ハチはラーの涙から生まれてきた、というラー信仰があったらしい。おそらくハチミツが金色(太陽の色)をしていたからではないかと思う。
また、他にはネイト女神やハトホル女神とも結び付けられており、特に、デンデラにおけるハトホル女神の祝祭ではハチミツを食べることが禁忌とされたという。想像だが、これはラー神の「涙」からハチが生まれたとされることと関係しているかもしれない。
ただしすべての神の祭儀で忌避されたわけではない。
テーベで行われたオペト祭ではハチミツも供物として使われている。オペト祭はラー神とのちに習合するアメン神の祭りでもあるので、アメン・ラーにとってはハチミツは禁忌でなかったことになる。
また、クヌムやミンなど生殖の神にはハチミツが好んで捧げられており、特にミン神には専門の養蜂家がついていた、という。
蜂や蜂蜜は、魂の復活とも関連づけられ、祭儀の供物としてはむしろ頻繁に登場する食材である。
墓の壁画に多数登場することからも分かるように、ハチミツは一般的に好まれた食材であり、上下エジプトの王の称号「ネスゥ・ビト」は「スゲとミツバチ」を意味するものでもあった。
ハチミツは、養蜂によって得られるものがほとんどだった。
養蜂の最古の証拠は古王国時代まで遡り、第5王朝のニウセルラー王の太陽神殿(アブシールの北)にあった。
現在はドイツ・ベルリンの新博物館に収蔵されているレリーフの中に、蜂の巣から蜜をとり、壺に封入していく一連の作業が描かれている。
また、養蜂シーンでは巣箱に煙を吹き込む姿が見られる。養蜂家は現代と同じような手段を用いて蜂の蜜を集めていたのだろう。
ハチミツにはいくつかのグレードがあったらしい。
最上とされる「白い蜂蜜」は王や神殿への捧げ物とされ、飼育されている蜂からとられるピュアハニーだったらしい。
それに対して、上エジプトの砂漠に住む野生蜂から採取する「赤い蜂蜜」もあったらしいが、こちらはそれほど品質はよくなかったようだ。
ピュアハニーより格の下がる一般向けのハチミツは「軽い蜂蜜」で、おそらく水で薄めた第二等級のもの。
さらに、砂糖代わりに使われる第三等級もあった。この第三等級のものは甘みさえあればいいという感じのもので、パンケーキや酒の風味づけに使われるなど、料理用だったらしい。
蜂蜜酒も作っていたらしいが、どの等級のものから作っていたかは不明だった。また、ハチやハチミツに関する用語にはハチの決定詞がつくのだが、その中に「蜂の子」を意味する単語が見つからなかったので、食材としては扱われてないのかなーって感じで理解した。まあ古代エジプトってそもそも昆虫食しないしなあ。タンパク質なら川で魚か鳥とればいいし、豆もたくさん食べてたし。
以上、古代エジプトのハチミツについての基本的な情報である。