健康食品モリンガは古代エジプトで愛された? 部分的には正解だが尾ひれがついている件

モリンガとは、かなり大きな樹冠を形成する植物で、和名だとワサビノキ。沖縄などにいくと町中に植えられているのも目にするはずで、ながーい豆のさやが枝からぶら下がっている目立つ木だ。
そんな木が今、スーパーフードとして健康食品界隈で話題になっている。

…のはいいのだが、ちょくちょく「クレオパトラも愛した」とか「古代エジプトでも珍重された」のようなキャッチコピーがついている。
またクレオパトラかい。というわけで、ちょっと調べてみたのだが、モリンガの古代エジプト語名がわかった時点で事情を察した…。

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モリンガ=古代エジプトでいうベン草だった。
一般的にベン・オイルという油の形状で登場する。つまりモリンガは古代エジプト人が日常使いしていた植物油の原料で、現代でいう「オリーブオイル」のオリーブや「ヤシ油」のヤシとほぼ同じポジション。

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https://www.wandering-stars.net/the-seven-sacred-oils

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*早稲田大の出してるドキュメントだけど日本語版が見つからなかった
https://www.jstage.jst.go.jp/article/orient1960/27/0/27_0_44/_article/-char/ja/


なので、

・古代エジプト人が愛した?
→特別に愛したかは不明だが、頻繁に使ってはいたはず。
ただ用途は現代人のようにお茶や粉サプリではない。

・クレオパトラが使った?
→まあ使った可能性は高い、でもそれが特別なことかと言われると違う。
 逆にベンオイルを避けて暮らすほうが不自然では。

・珍重された?
→現代でこそ木の数は減っているが、古代にはそのへんに生えてたはず。
乳香など舶来の高級品に比べると珍重はされていないと思われる。

という感じになる。
嘘はついていないのだが、レア度を高く見積もりすぎ。
あと粉にしたりお茶にしたりする用途はおそらく古代には無いので、そこに「古代エジプト人も~」をつけるのはちょっと違和感がある。実を食べるとかならやってた可能性はあるので、「古代エジプト人も食べていた!」は嘘にはならないと思う。

そして相変わらずクレオパトラさんはエジプトに関連する商品で片っ端から箔付けのために名前を使われてご苦労さまです、なのだった。