ヨルダン周遊(4) イスラエルとの国境、遺跡巡り
国境w なんでそこなのww と言われるかもしれないが、ヨルダンのすぐとなりはイスラエルで、観光地になってる死海も国境。そして南部の砂漠に向けて南下する沙漠ハイウェイことキングス・ロードもイスラエル国境が見える位置を通っている。
そう、学問に王道はないが、ヨルダン観光に王道はあるのだ。
ヨルダンは観光に力を入れている国である。
そして世界的にも有名なペトラ遺跡は、南部のほうにある。なので首都アンマンから、ペトラのあるワディ・ムーサまではツーリスト向けの送迎サービスがたくさん出ている。一番安いのは目的地まで直行の高速バスで、途中いくつかの遺跡に寄ってくれる観光ツアー的なバスもある。現地の代理店が出しているミニツアーで、少し遠回りして死海のほとりを回って行くようなやつもあったりする。
そこらへんは好きなのを選べばいいと思う。
私はイスラエルに近い山沿いの道を通過する送迎を選択した。
ちなみに現代の沙漠ハイウェイは、古代の隊商ルートの近くに作られている。途中で立ち寄れる遺跡の一つに、かつてラクダのキャラバン隊が使っていた隊商宿の跡がある。近くにある大きな四角い凹みは雨水を貯めておくための貯水槽。ラクダたちにやる水だ。ここでも、大事な水を有効利用しようとした痕跡が伺える。

直ぐ近くには川が流れていて羊に水をやってる住民がいたが、これは普段は枯れている川だという。
数日前に雨が降ったので今は水がある。
沙漠の国では、川は雨が降った時だけ現れるもので、現れた時に水を貯めておかないといけないものなのだ。
ここで知っておくとよい知識として、沙漠で発生する洪水(フラッシュ・フラッド)という現象がある。
以前の記事にも載せたが、エジプト、サウジアラビア、そしてこのヨルダンも、砂漠の国では「雨が地面に染み込まない」のである。
雨の降らない国エジプトで頻繁に洪水が起きる理由、ようやく把握
https://55096962.seesaa.net/article/201802article_17.html
資料より
http://ecohyd.dpri.kyoto-u.ac.jp/content/files/Flash%20Floods%20Integrated%20Management%20Considering%20Climate%20Change%20for%20Secured%20Development%20in%20Wadi%20Basins/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88%E6%A6%82%E8%A6%81.pdf

雨が地面に染み込まない、あっという間に流れていってしまう。だから貯水槽を作って留めるしかない。
これが、人の集まる施設の遺跡にことごとく「貯水槽」「水路」といった設備の跡がくっついている切実な理由なのだ。そして水を貯めた場所に人も動物も集まってくるから、水のある場所に村ができ、町になるのだ。
なお、この辺りにはサボテンが自生している。
市場で実をみかけたので、たぶん食えるやつ。沙漠といえばヤシのイメージだったが、実はサボテンもある…という豆知識。
他はイトスギが多く、イチジク、キョウチクトウ、アザミが多数。あと花のないチューリップみたいなのがモサモサしていた。

それと、近くにはオスマン時代にアンマンからメッカまで貫くように作られた(作ろうとしていた)鉄道の跡も残っている。駅などは何もなく、整備されているとも言い難いただの「やけに幅の狭いレール」なのだが、まずレールの鉄が盗まれてないあたり、治安がよい(笑)
そしてレールは、輸送がラクダから鉄道へと変わろうとしていた時代の切り替わりを象徴するものでもある。
ただ、鉄道もそれほど長くは使われず、現代では自動車に変わっている。
途中で寄るところその2、ショー・バック城。ここも定番スポットで十字軍時代のお城だが、アラビア語の落書き? とかある。
本体は地震で崩れてしまっているが、城壁はわりと綺麗に残っている。

ここは城本体というより、周囲の風景が面白い。
見晴らしがよい丘の上に作られていて、攻め入りづらい地形。ただそのぶん水も得づらく、下のほうにある枯れ川か、井戸で組み上げた水、もしくは雨水を貯めるしかない。
このロケーションだと攻めづらいかわりに兵糧攻めは容易だし、井戸も小さいので毒を入れるシチュエーションも有効そうだ。


地震で崩れた、ということからも分かるように、この辺りは定期的に地震が発生する。
アンマンの城塞都市にあった遺跡が崩れていたのも地震のせいで、同様の被害は他の遺跡でも見ることになる。
あの向こう側はイスラエル。
(軍事基地の近くは写真撮れないので離れたところから)

ヨルダンは石油がとれないため火力発電は多くなく、川もないため水力発電が使えず、発電は風力か、最近では太陽光発電が盛んな国だ。
地中海のほうから風が吹くため、イスラエル国境に近い山岳地帯は風車で埋め尽くされている。(当然、渡り鳥はぶつかりまくるのだが…)

実際、このあたりは風が強く、通りかかった時もビュウビュウいっていた。木も少しばかり曲がって生えている。そんな中を、ときおり羊飼いが通り過ぎていく。
風のくる方向には沙漠が広がっている。砂混じりの風が吹く土地だ。
南へ行くにつれ、風景は荒涼としてくる。遠くに見えている沙漠の向こうに地中海があるのだが、ぜんぜん見えない。それくらい遠い…。

そして南へ進むこと数時間。
ようやく、南方に世界遺産ペトラを含む遺跡群のある岩山が見え始めた。
まとめ読みはこちら
そう、学問に王道はないが、ヨルダン観光に王道はあるのだ。
ヨルダンは観光に力を入れている国である。
そして世界的にも有名なペトラ遺跡は、南部のほうにある。なので首都アンマンから、ペトラのあるワディ・ムーサまではツーリスト向けの送迎サービスがたくさん出ている。一番安いのは目的地まで直行の高速バスで、途中いくつかの遺跡に寄ってくれる観光ツアー的なバスもある。現地の代理店が出しているミニツアーで、少し遠回りして死海のほとりを回って行くようなやつもあったりする。
そこらへんは好きなのを選べばいいと思う。
私はイスラエルに近い山沿いの道を通過する送迎を選択した。
ちなみに現代の沙漠ハイウェイは、古代の隊商ルートの近くに作られている。途中で立ち寄れる遺跡の一つに、かつてラクダのキャラバン隊が使っていた隊商宿の跡がある。近くにある大きな四角い凹みは雨水を貯めておくための貯水槽。ラクダたちにやる水だ。ここでも、大事な水を有効利用しようとした痕跡が伺える。

直ぐ近くには川が流れていて羊に水をやってる住民がいたが、これは普段は枯れている川だという。
数日前に雨が降ったので今は水がある。
沙漠の国では、川は雨が降った時だけ現れるもので、現れた時に水を貯めておかないといけないものなのだ。
ここで知っておくとよい知識として、沙漠で発生する洪水(フラッシュ・フラッド)という現象がある。
以前の記事にも載せたが、エジプト、サウジアラビア、そしてこのヨルダンも、砂漠の国では「雨が地面に染み込まない」のである。
雨の降らない国エジプトで頻繁に洪水が起きる理由、ようやく把握
https://55096962.seesaa.net/article/201802article_17.html
資料より
http://ecohyd.dpri.kyoto-u.ac.jp/content/files/Flash%20Floods%20Integrated%20Management%20Considering%20Climate%20Change%20for%20Secured%20Development%20in%20Wadi%20Basins/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88%E6%A6%82%E8%A6%81.pdf

雨が地面に染み込まない、あっという間に流れていってしまう。だから貯水槽を作って留めるしかない。
これが、人の集まる施設の遺跡にことごとく「貯水槽」「水路」といった設備の跡がくっついている切実な理由なのだ。そして水を貯めた場所に人も動物も集まってくるから、水のある場所に村ができ、町になるのだ。
なお、この辺りにはサボテンが自生している。
市場で実をみかけたので、たぶん食えるやつ。沙漠といえばヤシのイメージだったが、実はサボテンもある…という豆知識。
他はイトスギが多く、イチジク、キョウチクトウ、アザミが多数。あと花のないチューリップみたいなのがモサモサしていた。

それと、近くにはオスマン時代にアンマンからメッカまで貫くように作られた(作ろうとしていた)鉄道の跡も残っている。駅などは何もなく、整備されているとも言い難いただの「やけに幅の狭いレール」なのだが、まずレールの鉄が盗まれてないあたり、治安がよい(笑)
そしてレールは、輸送がラクダから鉄道へと変わろうとしていた時代の切り替わりを象徴するものでもある。
ただ、鉄道もそれほど長くは使われず、現代では自動車に変わっている。
途中で寄るところその2、ショー・バック城。ここも定番スポットで十字軍時代のお城だが、アラビア語の落書き? とかある。
本体は地震で崩れてしまっているが、城壁はわりと綺麗に残っている。

ここは城本体というより、周囲の風景が面白い。
見晴らしがよい丘の上に作られていて、攻め入りづらい地形。ただそのぶん水も得づらく、下のほうにある枯れ川か、井戸で組み上げた水、もしくは雨水を貯めるしかない。
このロケーションだと攻めづらいかわりに兵糧攻めは容易だし、井戸も小さいので毒を入れるシチュエーションも有効そうだ。


地震で崩れた、ということからも分かるように、この辺りは定期的に地震が発生する。
アンマンの城塞都市にあった遺跡が崩れていたのも地震のせいで、同様の被害は他の遺跡でも見ることになる。
あの向こう側はイスラエル。
(軍事基地の近くは写真撮れないので離れたところから)

ヨルダンは石油がとれないため火力発電は多くなく、川もないため水力発電が使えず、発電は風力か、最近では太陽光発電が盛んな国だ。
地中海のほうから風が吹くため、イスラエル国境に近い山岳地帯は風車で埋め尽くされている。(当然、渡り鳥はぶつかりまくるのだが…)

実際、このあたりは風が強く、通りかかった時もビュウビュウいっていた。木も少しばかり曲がって生えている。そんな中を、ときおり羊飼いが通り過ぎていく。
風のくる方向には沙漠が広がっている。砂混じりの風が吹く土地だ。
南へ行くにつれ、風景は荒涼としてくる。遠くに見えている沙漠の向こうに地中海があるのだが、ぜんぜん見えない。それくらい遠い…。

そして南へ進むこと数時間。
ようやく、南方に世界遺産ペトラを含む遺跡群のある岩山が見え始めた。
まとめ読みはこちら