ヨルダン周遊(7) トレッキングルートとしてのペトラ周辺

遺跡本体の話は探せばわりと出てくるのだが、トレッキング(というか登山)としてペトラ周辺のルートを紹介した資料が日本語だとあまり出てこない。なので、私同様に「歩きたい!」という人向けに、各トレッキングルートの現地情報を書いておく。

大事なポイントなのでもう一度言うが、メインルート以外はすべて山道。
そしてどのトレイルも普通に歩くと2-3時間はかかる。日本でいうと、高尾山を徒歩往復するのよりもちょっとキツいくらいのレベル。体力、装備、山歩きの経験は必須と言える。
逆に言うと、普通に登山やってる人からすると楽勝でハイキング気分で歩ける。



●ワディ・ムズリムは崩落で封鎖されている。

ガイドをつければ通れなくはないと言われるが、現地ガイドさんに聞いても「今はもう通れないよ」という話しだった。
なので、ここは入ってない。ただ、ルートの一部を転用した? っぽい新しいトレッキング・ルートが整備されており、渓谷の手前までは歩くことが出来る。

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●エル・ハズネを左側から見下ろすアル・マドラスルートは崩落して封鎖済。

ここの左手奥の石段だが、手前にフェンスと、崩れ防止の石積みが出来ている。反対側のビュースポットもそう。
なお地元民はその石積みを引っ剥がして隙間を作っており、「上に上げてやるから10ドルくれ」とか平気で言ってくる。もちろんイリーガルなやつである。観光ポリスメンもいるのだが、袖の下でも貰っているのか目をつぶっている。エジプトなど他の国でも「あるある」なやつなのだが…。

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●エル・ハズネを正面から見下ろすジャバル・フブサのルートはシーク側の入り口が崩落で封鎖されているのでローマ劇場側から入って往復。


序盤の階段がちょっとキツく、いったん頂上に出ると、この看板の前で下りの道に続いている。少し下るとエル・ハズネの上に出る。
途中に現地民が2件ほどカフェを(違法に)出しており、水も売っている。
見回りが来ないのかヤギがフリーダムに放し飼いされており、UNKOがすごい。ふんづけないよう注意。
往復は早ければ1.5時間、長くて2-3時間ってところ。

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●ワディ・ファラサのルートはフルで歩くと早くて2-3時間

今回は、帰路としてカスル・アル・ビント側から入ってみたのだが、迷う要素は全然ない。道はハッキリしており、しかも途中に現地民が勝手に出してるカフェが何軒もある。ちょっとした山小屋のノリ。店を辿っていけば山頂にたどり着く。
ガイドブックだと3-4時間と書かれているが、登りに苦労しない人ならサクサク登れるので、2-3時間もあれば通過できる。

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ただし、ルート全体が長いのと、下り(逆から登る場合は登り)の、岩に刻まれた階段がかなり急。
登山に慣れていれば余裕なのだが、スニーカー履きのまま気楽に突っ込んできて中盤でへばって動けなくなっているのは結構いた。水を売ってる場所は入り口と山頂だけで途中にはない。十分な水とおやつも持っていったほうがいい。

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長いルートではあるが、ここは凄まじく眺めがいい場所なので、個人的には超オススメ。むしろ登山部は全員、この道から町に帰るの必須にしたい。


●ウンム・アル・ビヤラへの道は過酷

カスル・アル・ビントの裏手から入って、ワディ・ファラサのトレッキング・ルートと途中で分岐。この写真の奥の方に見えてる道がそう。
で、登る場所は、奥に見えている岩山である。…うん、まあ、高低差を見てもらえばわかると思う。かなり急。
距離が短いわりに登りに1時間くらいかかってしまう。

実はむかしナショジオの特集でここの上からの映像を見たのだが、「ここを機材担いで登ったスタッフすごくね??」って思った。上の方には雨水を貯める貯水槽があるくらいなので、マジな物好きか、遺跡マニアというよりは山好き向けのルートだと思う。

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全般的に、メジャールートとしてガイドブックで紹介されているルートはいずれも、整備はされていないが歩きやすい。
そして現地民がカフェやお土産物屋さんを勝手にあちこち出しまくっているし、歩いていると「ロバ乗る?」(もちろんチップ狙いで)とか声かけてくるので、よっぽどのことがなければ人目の無い所で遭難することはないと思う。

ただ、「整備はされていない」と書いたように、手すりなどはない。標識も1-2箇所しかない。
遭難した時の通報先を書いた看板などもない。よって、2時間コースの中盤で足をくじいたら、最寄りの病院までロバに担がれて何時間もかかる…とかになりかねない。

それと、絶景ポイントが多いのだが、そういうところはだいたい崖になっている。
「先週落ちて死んだ観光客いたよ…」と現地の人が言ってたので、実際に事故も起きているらしい。写真に夢中になって落ちないよう、注意はしたほうがいいだろう。

※中の人は夏山ウェアにザック、水2リットルと行動食、念のためのレスキューシート、とか、普段の山装備で行った
※GPSは使えなくはないが、スマホの電波はメインルートに近いところしか入らない

持っていったほうがいいものは日焼け止めと、何といってもサングラス。これが無ければ目が死んでた。
あと、首の後ろを焼かないための鍔広帽子とか布。太陽光がもんのすっごい強い、そして日差しが少ない。イメージとしては3000m級の山の尾根上の道。その意味で、夏山ウェアは正解だった。

汗を吸うような服だと熱中症で倒れるだろうし、半袖だと焼けすぎると思う。
トレッキングルートに入る人には、それなりの装備をお勧めしたい。



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