古代エジプト人はスイカをどうやって食べていたか。古代キッチン用品から考えるスイカの割り方

夏だ! キャンプだ! スイカ割りだ!!
というわけでスイカの割り方についての話をしたい。

古代エジプト人はスイカを食べていた。これは壁画に登場するスイカや、墓の中から見つかっている干からびた実物から確実である。
スイカの原産地は南アフリカのカラハリ沙漠で、アフリカ内部での人の移動によって、かなり早い段階からスイカの栽培は開始されていたと考えられている。

で、墓から見つかっている実物からの調査で、現代ほどではないかもしれないが、「甘みがあった」ということもわかっている。つまり人間が食べて美味しいように、品種改良もされていたということだ。

古代エジプトのスイカは赤くて甘かった。植物DNAの研究
https://55096962.seesaa.net/article/201905article_23.html

そのスイカだが、デカすぎるので、丸ごとかぶりついて食べる訳にはいかない。もちろん古代人だって切り分けないと食べられない。
しかし、現代のような大きくて立派な包丁は古代には無い。そもそも金属が貴重な世界なので、金属製の包丁なんて高価なものは作らないのだ。基本はフリントナイフ(薄く割った石製)である。

Kitchen tools in ancient Egypt
https://www.academia.edu/6793273/Kitchen_tools_in_ancient_Egypt

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これでスイカ食べるとなると、ザクっと刺してそこからメリメリ割っていくスタイルになるかと思う。ほぼカチ割り。かなりワイルドな食べ方になる、というか現代のキャンパーが川で冷やしたスイカを食べるやり方とほぼ一緒。
ちなみに金属製の包丁を使わないのは王宮のキッチンでも同じなので、王族の皆さんも別にきれいに切り分けたスイカは食ってなかったと思う。丸かぶりシャクシャクである。

以前調べた以下も参照。

古代エジプト人のテーブルマナー: カトラリーなしの時代のお食事とは。
https://55096962.seesaa.net/article/202105article_14.html

壁画など公式な遺物として出てくることは無いだろうが、ワイルドな感じでスイカにかぶりついてシャクシャクしてる王族の皆さんは、ちょっと見てみたい。

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おまけ

なお、途中に貼ったエジプトのキッチン用品についての資料には、お鍋など他の調理用具も出てくるので、そういうの描きたい人は参考までに。耐久力の必要なお鍋などは石製が基本。木製が少ないのは、木が少ないというエジプトならではの事情があると思われる。

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