ウォレス線はどうやって形成されたのか。生物種の境界には「気候変動時の適応力」が関係するのでは、という説
まずは前提知識だが、オーストラリア大陸は元々は南極近くにあり、アジア方面に向けて北上してきて今の位置になった。
実はオーストラリアの北にあるニューギニア島もオーストラリア大陸の一部であり、一緒に北上してきている。長らく他の大陸と繋がっていなかったオーストラリアでは、独自の生き物が多数進化した。
このニューギニア島では、オーストラリアとアジアの生き物が混在した状態で生息している。かつて氷期に、アジア側のマレー半島付近の島嶼が合体してスンダランドという巨大な陸地になっており、そこから渡ってきたと考えられる。
だが、アジアからオーストラリア側(ニューギニア島)への生物の移動は多数あるのに、オーストラリア側の生物がアジアに移動している例が(ほぼ)ない。
この生物境界線が「ウォレス線(ウォーレス・ライン)」である。
なぜアジア→オーストラリアへの移動は盛んで、逆方向の移動が起きなかったのか。
過去に移動があったとしても定着せず、現在アジアでオーストラリア原産の生物が繁栄していないのはなぜなのか。
最近出た論文では、その答えを「オーストラリア大陸が移動したことによる気候変動への適応力」だとしている。
東南アジアとマレー半島付近は高温多湿に保たれており、アジアの動物はそれに適応出来た。だが乾燥地帯の多いオーストラリアの生物は、そこに適応できず、進出することが出来なかった。
Paleoenvironments shaped the exchange of terrestrial vertebrates across Wallace’s Line
https://www.science.org/doi/10.1126/science.adf7122
これは、言われてみれば「あーね…」って感じである。
確かにアジア付近は今の形になってからは高温多湿で保たれている。高温はまだしも湿気がオーストラリア産の生物にはだめだったんだと思った。アジアに進出した生き物がいたとしても、最終氷期が終わったあとに全滅してしまったのかもしれない。
ただこれも、気候変動とオーストラリアが移動した位置によってたまたまそういう気候で固定されたっていう条件なので、環境への適応が生息範囲に影響しているのなら、種の生き残りってやっぱり運ゲーだとなと思うのです。
<人間は除く
<なぜか世界中どこでも適応していく怖いやつら
<マジで怖い
実はオーストラリアの北にあるニューギニア島もオーストラリア大陸の一部であり、一緒に北上してきている。長らく他の大陸と繋がっていなかったオーストラリアでは、独自の生き物が多数進化した。
このニューギニア島では、オーストラリアとアジアの生き物が混在した状態で生息している。かつて氷期に、アジア側のマレー半島付近の島嶼が合体してスンダランドという巨大な陸地になっており、そこから渡ってきたと考えられる。
だが、アジアからオーストラリア側(ニューギニア島)への生物の移動は多数あるのに、オーストラリア側の生物がアジアに移動している例が(ほぼ)ない。
この生物境界線が「ウォレス線(ウォーレス・ライン)」である。
なぜアジア→オーストラリアへの移動は盛んで、逆方向の移動が起きなかったのか。
過去に移動があったとしても定着せず、現在アジアでオーストラリア原産の生物が繁栄していないのはなぜなのか。
最近出た論文では、その答えを「オーストラリア大陸が移動したことによる気候変動への適応力」だとしている。
東南アジアとマレー半島付近は高温多湿に保たれており、アジアの動物はそれに適応出来た。だが乾燥地帯の多いオーストラリアの生物は、そこに適応できず、進出することが出来なかった。
Paleoenvironments shaped the exchange of terrestrial vertebrates across Wallace’s Line
https://www.science.org/doi/10.1126/science.adf7122
これは、言われてみれば「あーね…」って感じである。
確かにアジア付近は今の形になってからは高温多湿で保たれている。高温はまだしも湿気がオーストラリア産の生物にはだめだったんだと思った。アジアに進出した生き物がいたとしても、最終氷期が終わったあとに全滅してしまったのかもしれない。
ただこれも、気候変動とオーストラリアが移動した位置によってたまたまそういう気候で固定されたっていう条件なので、環境への適応が生息範囲に影響しているのなら、種の生き残りってやっぱり運ゲーだとなと思うのです。
<人間は除く
<なぜか世界中どこでも適応していく怖いやつら
<マジで怖い