メソアメリカの「はんこ」とは? ユーラシア大陸とは違う「はんこ文化」の実態

はんこ文化はメソポタミアに始まる。
この辺の内容は本でもインターネットでも情報が多いので説明ははしょるが、シュメールの時代から既に「はんこ」はあり、ボタン型のものから円筒印章となり、粘土板の上をころころして模様や文字をつけるようになっていった。

だが、そんなユーラシアのはんこ文化とは別に、新大陸、メソアメリカにも似たようなものがあったという。
メソアメリカのはんこ、とは何か。

気になったので調べてみたところ、思いのほか可愛いやつが出てきた。
アステカの、鳥と猿のはんこ。これは…レプリカほしい…!

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https://www.metmuseum.org/art/collection/search/307742

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https://www.metmuseum.org/art/collection/search/307744

ただしこれ、「はんこ」といっても「印鑑」とはちょっと違う。何かを証明するとか、サインのかわりにするとかではなく、ぺたぺた押すことで同じ模様を量産するためのもの。陶器の模様付けや、一時的に入れる入れ墨のような用途で使っていたのでは、とされている。
しかし紀元前1800年頃から、スペイン人に征服される16世紀まで、ずっと同様なものを作り続けていたようなので、立派な伝統文化の一つだ。

Aztec Clay stampsで探すといろんな「はんこ」が出てくるが、どれもセンスいいやつなので普通にほしい。刺繍ではなく布にペイントして模様つけるのに使ってたのではという説もあるようで、だとすると安価な普段着をちょっとオシャレにするために使われてたのかもしれない。

メキシコ展はこういう可愛いの集めたやつもやってほしい。生贄とか王権とかはもうちょっと飽きたんで…。