幻の「カラシュマ語」、ヒッタイトの首都から発見される
かつてヒッタイトの首都だったトルコ・ボアズキョイの遺跡から見つかった粘土板に、知られていなかった未知の言語が書かれていたのがわかった、というニュースが出ていた。言語はアナトリア北部のカラシュマ(Kalašma)で話されていたインド・ヨーロッパ諸語の一種、というところまで突き止められたらしいのだが、まだ解読されておらず、解読完了まで画像も公開しない方針のようだ。ウッフ、これはあれだな、何かヤバい儀式とか書かれてるやつだな…!(オカルト脳)
'Ritual text' from lost Indo-European language discovered on ancient clay tablet in Turkey
https://www.livescience.com/archaeology/ritual-text-from-lost-indo-european-language-discovered-on-ancient-clay-tablet-in-turkey
New Indo-European Language Discovered
https://www.uni-wuerzburg.de/en/news-and-events/news/detail/news/new-indo-european-language-discovered/
と、言う冗談はさておき、実際にこの文書は何らかの儀式に関連していると見られている。序盤はヒッタイト語で後半にカラシュマ語の文書が書かれている。Kalašma languageでググってみると、「おそらくルウィ語系統では?」という意見が見られた。
ここでルウィ語についておさらいしてみよう。かつて私がトルコに行った時はまだ知見がなく、楔形文字ではない象形文字碑文に大いに戸惑ったものだ、懐かしい…。
イスタンブールで見た謎の象形文字の正体・象形文字ルウィ語まとめ
https://55096962.seesaa.net/article/201208article_15.html
ルウィ語については、↑にまとめておいた。簡単に言うとヒッタイト語に近く、分布からしておそらくヒッタイト帝国成立以前のアナトリアの主流言語。ヒッタイト語に近く、象形文字で書かれる時と、楔形文字で書かれる時がある。今回見つかったカラシュマ語と呼ばれているものも楔形文字で記載されている。
この系統に近いのだとすると、単語くらいはアタリが付きそうなので宗教儀式関連っていうのはすぐに分かるだろうし、場所的にも納得。
ちなみにヒッタイトの首都ともなると、見つかる文書は自国の主流言語のものだけではない。国際都市なので他国とやり取りが発生するからだ。
そう、これはエジプトでも同じで、アマルナ文書の中に楔形文字で書かれた諸国の言語のものが混じっているのと全く同じ事情。アマルナ文書の中にはメソポタミアやウガリットの神話を書いたものもあるので、他国の宗教に関する文書があるというのも別に不思議ではない。他国のことを知らなけれれば交流できないし失礼のないように使者を送るとかも難しい。古代とはいえ国際社会で必要なことは同じなのだ。
果たして、この粘土板からはどんなことが分かるのだろう。カラシュマはヒッタイトの支配地域だったのか、半独立の都市国家だったのか。解読が済んだら論文出ると思うので楽しみに待っていようと思う。
'Ritual text' from lost Indo-European language discovered on ancient clay tablet in Turkey
https://www.livescience.com/archaeology/ritual-text-from-lost-indo-european-language-discovered-on-ancient-clay-tablet-in-turkey
New Indo-European Language Discovered
https://www.uni-wuerzburg.de/en/news-and-events/news/detail/news/new-indo-european-language-discovered/
と、言う冗談はさておき、実際にこの文書は何らかの儀式に関連していると見られている。序盤はヒッタイト語で後半にカラシュマ語の文書が書かれている。Kalašma languageでググってみると、「おそらくルウィ語系統では?」という意見が見られた。
ここでルウィ語についておさらいしてみよう。かつて私がトルコに行った時はまだ知見がなく、楔形文字ではない象形文字碑文に大いに戸惑ったものだ、懐かしい…。
イスタンブールで見た謎の象形文字の正体・象形文字ルウィ語まとめ
https://55096962.seesaa.net/article/201208article_15.html
ルウィ語については、↑にまとめておいた。簡単に言うとヒッタイト語に近く、分布からしておそらくヒッタイト帝国成立以前のアナトリアの主流言語。ヒッタイト語に近く、象形文字で書かれる時と、楔形文字で書かれる時がある。今回見つかったカラシュマ語と呼ばれているものも楔形文字で記載されている。
この系統に近いのだとすると、単語くらいはアタリが付きそうなので宗教儀式関連っていうのはすぐに分かるだろうし、場所的にも納得。
ちなみにヒッタイトの首都ともなると、見つかる文書は自国の主流言語のものだけではない。国際都市なので他国とやり取りが発生するからだ。
そう、これはエジプトでも同じで、アマルナ文書の中に楔形文字で書かれた諸国の言語のものが混じっているのと全く同じ事情。アマルナ文書の中にはメソポタミアやウガリットの神話を書いたものもあるので、他国の宗教に関する文書があるというのも別に不思議ではない。他国のことを知らなけれれば交流できないし失礼のないように使者を送るとかも難しい。古代とはいえ国際社会で必要なことは同じなのだ。
果たして、この粘土板からはどんなことが分かるのだろう。カラシュマはヒッタイトの支配地域だったのか、半独立の都市国家だったのか。解読が済んだら論文出ると思うので楽しみに待っていようと思う。