ルーン石碑の掘り方の癖から作者が分かる? ハラルド青歯王の石碑から

10世紀デンマークとノルウェーのヴァイキング王、ハラルド・ゴルムソン、「ブルートゥース」(青歯)の二つ名でも知られるこの王の時代に作られたルーン石碑について、彫り方の癖から作者はRavnunge-Tueという人物ではないか、という説が出ていた。
正式な論文はこれから出るみたいなのだが、既にドキュメンタリー番組の予定とかあるみたいで、えぇ…って感じ。まぁ対象が有名なイェリング石碑なんで視聴率は取れそうだけども。

Jelling Stone analysis reveals runestone carver's name and identifies a powerful Viking queen
https://www.livescience.com/archaeology/jelling-stone-analysis-reveals-runestone-carvers-name-and-identifies-a-powerful-viking-queen

↓件の石碑はコレ。いつのまにか保護用のガラスつけられてた
Jelling stones でググれば観光情報として場所やデータも出てくる
Runesten_i_Jelling.jpg

この石碑が何故有名かというと、デンマークという国名が最初に記されたものだから。
建てられたのは965年頃とされ、ハラルド王の父ゴームと母ティラを偲び称える内容。で、この石碑には作者の署名はないのだが、ティラに関する他の碑文との比較をして、ルーンを作ったノミの溝の角度や間隔といった彫り方のクセが一致するので「作者を特定した」という話らしいのだ。


…正直、「え、それだけで根拠になるんか…?」って感じで半信半疑なので、これは詳細な分析結果待ちかな。
ただ手法としては面白そう。あと、もし本当に同一人物が掘っていたのだとしたら、熟練したルーンの掘り手は王家お抱えの一握りだけとか、相当人数が少なかったということになり、以前から言われている「ルーン文字を扱える者が少なかった」という説が強化されるかもしれない。
一般人は知識が乏しく、日常的に使われるのは占いやおまじない的な知識だけで、長い文章を作れるほど熟練していたのはごく一部だったと思われる。(それがルーンに長けた者を特別視する理由だったり、残っているルーン文字が短い単語や人物名だけだったり、しばしば掘り間違いがある理由とされている)

その意味では、他の碑文と同一人物が掘っている可能性は低くはないと思うのだが…果たして。