アマゾンが干ばつで大ピンチ、だが川底から2,000年ぶりに遺跡が出てきたぞ
アマゾンが大旱魃に苦しんでいる。
正確に言うと、川底が見えるほど干上がっているのはマナウスより上流なので「アマゾン川になる前の支流」。(※「アマゾン川」は一般的に、ネグロ川とソリモエンス川が合流するマナウス以降の名称)
ただ、それによってアマゾン川スタート地点のマナウスで港が機能しないほど水が浅くなっているようなので、アマゾン川が干ばつなのは間違いない。
熱帯雨林のイメージからして絶対干上がらない川だと思っていたのに、まさかの「支流は川底見えるレベル」。
Drought turns Amazonian capital into climate dystopia
https://www.theguardian.com/environment/2023/oct/18/drought-amazon-capital-climate-manaus-forest-fires-air-quality-rivers
ブラジルのアマゾン地域で大規模干ばつ、50万人に影響
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/775136?display=1&mwplay=1
なかなかに衝撃的な写真も出回っている。ここはマナウス港、二本の川が合流する地点であり、このデカい船はアマゾン川を下っていく定期船のはずだ。中の人がむかし行った時、この船のデッキにハンモック吊るして寝ながら川下へ向かう人を見た。その定期船が機能していない…。
このへんの地域の人達にとって船はチャリ同然であり、先住民は川辺に家を浮かべて暮らしていたりする。影響はかなりデカい。川辺にあったアロワナ釣り堀りとかも干上がっちゃったんだろうな…。
https://jp.reuters.com/pictures/amazon-water-levels-hit-lowest-level-over-century-2023-10-17/
こうなった原因は、エル・ニーニョ現象によって雨の降る地域がズレたことだという。アンデス山脈の西側ではなく東側(太平洋側)に降ってしまったり、そもそも海上の雨量が増えたりしているようなのだ。
エルニーニョ発生時の一般的な雨量変化については気象庁のページが分かりやすい。チリのアタカマ砂漠でたまにドカ雨が降って花が咲き乱れてたりするニュースが流れるが、あれもエル・ニーニョ現象の一つ。
https://www.data.jma.go.jp/cpd/data/elnino/learning/tenkou/sekai1.html
で。
だいぶ悲惨な状況なのだが、この影響で干上がったネグロ川の岸辺から、なんと2,000年前にアマゾン先住民が描いたロックアートが多数見つかったのである。アマゾン文明!
Drought exposes Amazon rocks with human faces
https://jp.reuters.com/video/watch/drought-exposes-amazon-rocks-with-human-idRW248524102023RP1
場所はココ。ココで岩に絵を描けたのなら、2,000年前にも川が干上がっていたはずなんである。
今回、約120年ぶりに川の水位が危機的な状況になった、と騒いでいるけれど、実はアマゾン川、定期的に危機的な状況になってたことあるんじゃない? って感じ。
近年、干ばつによっていろんな遺跡が出てくる現象を見かけるが、実はそれらの遺物は、歴史上、「異常」気象が繰り返されてきたことの証左に他ならない。
ヨーロッパの事例だと、こんなのもあった。↓
ヨーロッパの旱魃と、水底より甦る「飢饉の石」
https://55096962.seesaa.net/article/201810article_10.html
干ばつの時にここにいた人々は、楽しくて石を掘ってたわけではないと思う。その思いは推し量れない。しかし、天候のことはどうしようもないから手持ち無沙汰を紛らわしながら何とか生きてた、そんな感じがする。クソ暑い夏、干上がりそうなくらい雨の降らない季節、どんなつらい状況だったとしても、人は生きてゆかねばならない。そして実際に生き延びたからこそ今そこに暮らす子孫たちがいる。
川底から見つかる遺跡は、「こんな状況でも俺たちは生きてたんだぞ」という力強いメッセージのようにも感じられるのだが、そういう見方は不謹慎になるのだろうか。
****
あとおまけ。中の人のアマゾン紀行
[遠征]アマゾン旅(ブラジル&ベネズエラ) まとめ
https://55096962.seesaa.net/article/201810article_2.html
マナウスはアマゾンの入り口とはいえ、こんな感じの大都会でビルとかめっちゃ建ち並んでいる。で、港から見た川はほぼ「海じゃんこれ」って感じの広さ。なので、このマナウス港で船が座礁するレベルまで水位が下がるのは相当の干ばつってこと。
あんま騒がれてないけど森林火災による大気汚染も深刻な状況みたいで、出張の方とかは粉塵用のマスクもお忘れなく…。
正確に言うと、川底が見えるほど干上がっているのはマナウスより上流なので「アマゾン川になる前の支流」。(※「アマゾン川」は一般的に、ネグロ川とソリモエンス川が合流するマナウス以降の名称)
ただ、それによってアマゾン川スタート地点のマナウスで港が機能しないほど水が浅くなっているようなので、アマゾン川が干ばつなのは間違いない。
熱帯雨林のイメージからして絶対干上がらない川だと思っていたのに、まさかの「支流は川底見えるレベル」。
Drought turns Amazonian capital into climate dystopia
https://www.theguardian.com/environment/2023/oct/18/drought-amazon-capital-climate-manaus-forest-fires-air-quality-rivers
ブラジルのアマゾン地域で大規模干ばつ、50万人に影響
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/775136?display=1&mwplay=1
なかなかに衝撃的な写真も出回っている。ここはマナウス港、二本の川が合流する地点であり、このデカい船はアマゾン川を下っていく定期船のはずだ。中の人がむかし行った時、この船のデッキにハンモック吊るして寝ながら川下へ向かう人を見た。その定期船が機能していない…。
このへんの地域の人達にとって船はチャリ同然であり、先住民は川辺に家を浮かべて暮らしていたりする。影響はかなりデカい。川辺にあったアロワナ釣り堀りとかも干上がっちゃったんだろうな…。
https://jp.reuters.com/pictures/amazon-water-levels-hit-lowest-level-over-century-2023-10-17/
こうなった原因は、エル・ニーニョ現象によって雨の降る地域がズレたことだという。アンデス山脈の西側ではなく東側(太平洋側)に降ってしまったり、そもそも海上の雨量が増えたりしているようなのだ。
エルニーニョ発生時の一般的な雨量変化については気象庁のページが分かりやすい。チリのアタカマ砂漠でたまにドカ雨が降って花が咲き乱れてたりするニュースが流れるが、あれもエル・ニーニョ現象の一つ。
https://www.data.jma.go.jp/cpd/data/elnino/learning/tenkou/sekai1.html
で。
だいぶ悲惨な状況なのだが、この影響で干上がったネグロ川の岸辺から、なんと2,000年前にアマゾン先住民が描いたロックアートが多数見つかったのである。アマゾン文明!
Drought exposes Amazon rocks with human faces
https://jp.reuters.com/video/watch/drought-exposes-amazon-rocks-with-human-idRW248524102023RP1
場所はココ。ココで岩に絵を描けたのなら、2,000年前にも川が干上がっていたはずなんである。
今回、約120年ぶりに川の水位が危機的な状況になった、と騒いでいるけれど、実はアマゾン川、定期的に危機的な状況になってたことあるんじゃない? って感じ。
近年、干ばつによっていろんな遺跡が出てくる現象を見かけるが、実はそれらの遺物は、歴史上、「異常」気象が繰り返されてきたことの証左に他ならない。
ヨーロッパの事例だと、こんなのもあった。↓
ヨーロッパの旱魃と、水底より甦る「飢饉の石」
https://55096962.seesaa.net/article/201810article_10.html
干ばつの時にここにいた人々は、楽しくて石を掘ってたわけではないと思う。その思いは推し量れない。しかし、天候のことはどうしようもないから手持ち無沙汰を紛らわしながら何とか生きてた、そんな感じがする。クソ暑い夏、干上がりそうなくらい雨の降らない季節、どんなつらい状況だったとしても、人は生きてゆかねばならない。そして実際に生き延びたからこそ今そこに暮らす子孫たちがいる。
川底から見つかる遺跡は、「こんな状況でも俺たちは生きてたんだぞ」という力強いメッセージのようにも感じられるのだが、そういう見方は不謹慎になるのだろうか。
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あとおまけ。中の人のアマゾン紀行
[遠征]アマゾン旅(ブラジル&ベネズエラ) まとめ
https://55096962.seesaa.net/article/201810article_2.html
マナウスはアマゾンの入り口とはいえ、こんな感じの大都会でビルとかめっちゃ建ち並んでいる。で、港から見た川はほぼ「海じゃんこれ」って感じの広さ。なので、このマナウス港で船が座礁するレベルまで水位が下がるのは相当の干ばつってこと。
あんま騒がれてないけど森林火災による大気汚染も深刻な状況みたいで、出張の方とかは粉塵用のマスクもお忘れなく…。