古代エジプト人のハイエナ飼育と断念の歴史。お味はいかがな感じだったのか

あけましておめでとうございます。
お正月ですが、サイトもブログももう20年くらいやっているので干支ネタ・時事ネタはもう一巡してしまい、特に季節ものの話題もないので通常営業でいかせていただきます。

さて、突然だが古代エジプト人のハイエナ食についての話をしたい。古代エジプトではハイエナを太らせて食用としていた。これは壁画で「ハイエナを太らせる」と絵付きで書かれていることからはっきりしている。また飼育されているハイエナの群れの耳が垂れているが、これは従順を意味する描き方で、群れごと人間の管理下に置いて家畜化の試みがなされていたのだと解釈されている。

picture-22.png

Hyena domestication fails, as told through hieroglyphics
https://www.patreon.com/posts/hyena-fails-as-39555450

The hyaena in dynastic Egypt: Fancy food or fantasy food?
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/oa.1168

231228091356276.JPG
※↑の出典元は「古代エジプト 永遠の美術/やろく出版」

「太らせて食べる」というところからして、日常的に食べていたというよりは珍味だったのだと思われるが、このハイエナ食は、中王国時代以降は消えていく。おそらく気候の変化や狩りすぎによって、ハイエナが近隣にいなくなったのではないかと思われる。

で、肝心のハイエナのお味だが、「たぶんおいしかった」。
なんでそう言えるかというと、まさに今、ハイエナは人間に食われすぎて絶滅しそうだからである。

The spotted hyena, one of the most intelligent, powerful and unique wild animals habiting North and East Africa, is being eaten to extinction by humans
https://www.pulselive.co.ke/bi/lifestyle/the-spotted-hyena-is-being-eaten-to-extinction-by-humans/mq2vs7h

↓以下、自動翻訳
==============
ハイエナの肉は現在、サウジアラビア、モロッコ、ソマリア全土で珍味となっており、それ以来、人々は野生動物の肉に対する食欲を非常に高めています。
それだけでは十分ではないかのように、一般にスカベンジャーとして知られている高度に知性があり、社会的な動物は、実際には恐るべき捕食者であるにもかかわらず、伝統医学に使用するために皮膚や体の一部を狙って狩猟されている。
ハイエナの肉は非常に人気があるため、価格が高騰し、現在では裕福な人々だけが手に入れることができるほどになっています。
==============

記事には写真もある。太らせて食うとかいうステップふんでないぶん古代エジプト人より野蛮みが増している。ていうか、こいつら犬じゃなくてジャコウネコのほうに近いらしいんだと…美味いのか…??

ハイエナといえば、サバンナのギャングと言われ群れで狩りをする動物である。そのギャングを食い尽くしそうな人間がどんだけヤバいかという話である(笑)
もし古代エジプト人の家畜化の試みが成功していたなら、今ごろは食用ハイエナが飼育され、野生の方は無事だったかもしれないのだが…イエネコを生み出した古代エジプト人にも飼いならせなかったのだ、そこはしょうがない。

というわけで、アフリカでは古代エジプトの時代からもうハイエナを食べていた。そして今でも、絶滅させそうな勢いで食べられている。
古代人の食卓トリビアでした。