エジプトの出産時に亡くなった少女ミイラ、その後の調査で胎内に「もう一人」いたことが判明

エジプトのミイラの中には、出産時に死亡したとされるものがある。胎児を抱いてミイラになっている場合などは本当に出産時の死亡だったのかどうかが分からないのだが、この場合は胎盤に子供の頭が引っかかっているため確実と言える。前回は1908年に調査されていたのだが、その時は胎内まで見ていなかったので、中にもう一人残っていたことには気づかれなかったらしい。
今回の再調査ではCTスキャンで内部まで確認し、ミイラ化した体腔内に二人目の胎児が残っていることにはじめて気がついたようだ。

Ancient Egyptian teenager died while giving birth to twins, mummy reveals
https://www.livescience.com/archaeology/ancient-egyptians/ancient-egyptian-teenager-died-while-giving-birth-to-twins-mummy-reveals

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このミイラは、プトレマイオス~ローマ支配時代の初期にかけての時代に生きた10代の少女。身長は150センチを少しこえるくらい、体重も45kg~50kgと比較的華奢で、おそらくそれが原因で出産に失敗、子供の頭部が産道に引っかかったまま死亡という悲しい結末を迎えたとされる。

気になるのは、ミイラ職人はこれを知ってて無視したのか、気づかなかったのか、というところだ。
ミイラ化の手順に本人の内蔵を取り出すというのはあるのだが、胎児を取り出す手順は存在しない。またミイラにする際に切込みを入れるのは脇腹であり、内臓は引っ張り出せるが子までは引っ張り出せない。というか、子宮の中にいる子供を出そうとすると、帝王切開のように子宮に切込みを入れることになる。
存在しない手順は出来ないし、腐りやすい腸や胃や肺を引っ張り出してる時に何か手に触れる感覚があったとしても、敢えて無視していたのかもしれない。結果として、生まれ落ちることのなかった胎児は、母親の胎内に引っかかった状態のままミイラ化することになった。

この状態で死にたくはないなあ…と思うのと、この状態の遺体をミイラ化したくないなあ…という気持ちが半々。いやだって、胎児引っかかってるのが分かってる状態でさ、その胎児を引っ張り出すにも引っかかって出せず、押し込み直して作るしかないとかさ。ミイラ職人も大変だよこれ。
母体と子供のミイラが別々に作られてるやつは、職人もなんか頑張ったんだろうな。


なお、1908年当時は頭部もあったらしいのだが今は行方不明だという。頭部はよく売れるやつなので、多分これこっそり売っぱらわれちゃったやつじゃないかと思うのだが。どっかの博物館に、頭部だけ収蔵されてたりしませんか…?