古代エジプト人「死後の世界でもお肉食べたい…せや!」→肉ミイラ製造へ

寒い季節は体温を上げるためにガッツリしたもの食べたくなりますよね。お肉とか。
というわけで古代エジプト人の死後の世界とお肉の話。

「死者の書」の前身となる「ピラミッド・テキスト」には、死後の世界で飢えることがないように、との希望から、呪文の中にお肉やパン、ビールといった好物を書いていた。
それだけに飽き足らず、副葬品にも乾燥させた食べ物を入れていたのだ。ピラミッドや王墓の中身は盗掘され尽くしていてほとんど残っていないが、私人墓からは副葬品の食べ物が多く発見されている。

その中でも「お肉のミイラ」、今日はこれの話をしたい。

死後の世界で復活し、永遠に生きるために自分の体を保存する=普通の人体ミイラ
死後の世界で復活した自分が、永遠に新鮮なお肉を食べ続けるために保存する=お肉ミイラ

つまり、これを作らせた人たちは、究極の「おいやしさん」なんである。(※うちの田舎の言葉である。意味は「めっちゃ食いしん坊」)

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詳しいのはこの記事

'Meat Mummies' Kept Egyptian Royalty Well-Fed After Death
https://www.livescience.com/41285-egyptian-meat-mummies.html

ちょっと大きい写真はこちら

Egyptians Mummified The Beef Ribs And Sliced Goat Meat They Sent on With Their Rulers to the Afterlife
https://www.smithsonianmag.com/smart-news/egyptians-mummified-the-beef-ribs-and-sliced-goat-meat-they-sent-on-with-their-rulers-to-the-afterlife-180947765/

サンプル① 第18王朝 ネフェルティティの両親 イウヤ&チュウヤの墓から出た牛肉(リブ)
サンプル② 第21王朝時代 テーベの大祭司の妻/姉妹であったイセテムケブの墓から出た子牛の肉
サンプル③ 第18王朝 テーベの巫女ヘヌトメヒトの墓から出たカモ/ガチョウとヤギ肉

包帯の上から脂肪を塗りつけて保存するという念の入れようだが、①は、さすが王妃の両親で寵愛を集めていた人物の墓に入れられていただけあり、かなり丁寧にミイラ化されており、ピスタシオの樹脂など高級材料が使われているという。
そもそも牛肉は、古代世界において高位の人しか食べられない高級品であった。
身分の高いサンプル①②の人たちの墓が牛肉で、ちょっと身分の低めの③の人が鳥とヤギなのは、普段食べていたお肉の違いからきているのだと思う。
さらにえらい人は、死後も新鮮なお肉を食べるために、腐らないよう手間ひまかけて高級なミイラにしていたということ。なんとも古代エジプト人らしい死後の準備仕様。まあ…お肉は…大事だもんね…。

他にもパンや干し果物、ワイン、場合によってはお豆など、墓に入れらていた食べ物は色々ある。好きな食べ物を持っていけるとしたら、皆、何持っていきたいですかね。
あ、うどんはいい。うどんは答えなくていいから。うん分かってる。うどん以外で。