ブラジル・アマゾンの気候変動、「乾季は水がより少なく」、「雨季はより多く」という極端な状況に

昨年、ブラジル北部を流れるアマゾン川で大渇水となり、川底から遺跡が出てきたというニュースが流れていた。

アマゾンが干ばつで大ピンチ、だが川底から2,000年ぶりに遺跡が出てきたぞ
https://55096962.seesaa.net/article/501227027.html

このニュースの際に「気候変動による問題」とか「エルニーニョが関係している」とかいう話が出ていたのだが、その影響は単に「渇水が起きる」というだけではなく、「雨季の雨量は増えるので洪水も起きる」というものだった。

詳しい記事が出ていたので、こちらを見てほしい。
https://www.science.org/content/article/amazon-river-may-altered-forever-climate-change

今後の予想として、起きる変化は↓のようになっている。
水源であるアンデス山脈に近い所は、雨季になるとなんと、今の1.5倍の降水が見込まれる。この雨量だと、アマゾン川の要所であるマナウスの街はは港付近が水没するくらいになるらしい。

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逆に乾季になると半分以下。これが去年のニュースに出ていたような状況。なかなかに極端…。

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で、水量が減り、気温も高い状態だと、アナゾン川に繋がるテフェ湖では魚やイルカが生きていけなくなり、大量死。漁業が壊滅する可能性があるという。
一方で、アマゾン川のほうにいるカワイルカも、水の残っている支流で必死に獲物を狙うため漁師の編みを食い破ることが多くなり、かなり被害が出ているようだ。また、乾季の間は水車が使えず、地元民が換金作物にしているキャッサバを粉にする作業も止まってしまうんだとか。
このままだと、生活スタイルを変更せざるを得ない――という話。

まあ1万年単位で見ればこの程度の気候変動は些細なものなのだが、漁労の時期を雨季に限定したり、植え付け作物の種類や植え付け時期を変更したりと工夫を強いられるのは大変そうだな。

中の人はむかし、9月にアマゾン川に行ったことがある。
その当時でも、乾季は川の水の量が減るから、年によって徒歩行軍の距離が変わるんだよー的なことを地元の人に言われた。私が行った時はまあまあの水量があったので2-3キロしか歩かず余裕だったけど、今後はもっと過酷になっていくのだろうか…。アマゾン川クルーズの難易度が上がるね。ていうか川が干上がるとクルーズ自体ができなくなりそうな。

アマゾン川の未来は、果たして。