相変わらず需要がマニアック。「古代エジプト遺跡探訪 カルナク神殿/ルクソール神殿」

新刊出てたので買ってきた。古代エジプト本ばかりだしている出版社で、毎回「どこ需要だよォこれ!」みたいなマニアックな内容なのだが、今回もなかなかに濃いやつだった。
カルナック・ルクソール神殿パーツ図解である。

古代エジプト遺跡探訪 カルナク神殿 ルクソール神殿 - 松本弥
古代エジプト遺跡探訪 カルナク神殿 ルクソール神殿 - 松本弥

現代エジプトのルクソールにあるこの大神殿、エジプトに行った観光客が周る定番スポットでもあるのだが、実は今あるのは増改築を繰り返した姿であり、時代ごとに外観が全然違う。
…という話は色んな本に出てくるし、英語資料だと解説もあるのだが、それを日本語で詳しく、さらに現地写真いりで説明するという手の込みよう。「ハトシェプストの時代の増築はココ!」「この塔門とここは移動させたやつ!」「新王国時代だからってずっと今の外観じゃないんだぜ!」「最後の増築は第30王朝だ!」みたいな感じで事細かに書いてくれている。

ていうか今更だけど、第18王朝の時代に増改築した差分がかなり多いから、この時代の背景に神殿描くなら、常に工事現場みたいになってないとおかしくないか。逆に出しづらいぞ。

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ハトシェプスト女王の削られた部分とか、あんまり観光客の行かない第9、10塔門のあたりとか、ぱっと見なんだか分からんだろう聖船の収容施設とか、広大な神殿敷地内を事細から説明してくれてるので、この本があればガイドさんは要らないかもしれない。個人で旅行いく人はぜひお供に。



なお、この出版社、初版は毎回間違い探しになるのだが、今回は謎のフィリップが発見された。
…うん、あれだ、たぶんこれ「ファラオ」の間違いだよね。

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タイムトラベルしてファラオになった西洋人フィリップはきっと実在しない。ただの幻覚。