ホモ・ボドエンシスの分類に関するその後▶改定案がよく分からん、と却下されたっぽい

久しぶりにホモ・ハイデルベルゲンシス(Homo heidelbergensis)の名前を聞いたついでに、数年前の論争のその後について確認してみた。
ホモ・ハイデルベルゲンシスというのは現生人類とネアンデルタールとデニソワ人の共通祖先とされる分岐点の種族。

で、このヒト族について、「今までホモ・ハイデルベルゲンシスとして分類してたものの中にネアンデルタールがけっこう混じってた」という問題が分かってきている。かつては見た目の形状で分けていたのが、DNAで種族を分析できるようになったことでより正確に分けられるようになった、ということ。

人類の系統樹にまた一つ名前が増えた。ホモ・ボドエンシス登場にまつわるあれこれ
https://55096962.seesaa.net/article/202111article_20.html

で、これどうなったのかなぁ…とその後を確認してみたところ、思いっきり却下されてた。うん、まあ…分類変えても根本原因が解決しないし余計分かりづらくなるって言われると、それはそう。

とはいえ、名称や基準の整理はやり直されているようなので、議論自体は無駄じゃなかったのではと思う。ヒト進化の系統樹は、今後も議論の対象になっていくだろうな…。中間の化石が見つかるたびに「どこに当てはまるんだよこれ」って調べていくのが大変。

Morphological and phylogeographic evidence for budding speciation: an example in hominins
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7876604/

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なお、ホモ・ハイデルベルゲンシスに関しては、近年の研究で「血液型というものが生まれたのは、その時代なのでは?」というものも出ていた。
オラウータンやゴリラには血液型がなく、ヒト族にはあるので、その中間のどこかでABO式の血液型の概念が生まれているはず。ネアンデルタールやデニソワ人にも血液型があったようなので、共通祖先部分ではないかと考えられたらしい。

ネアンデルタールやデニソワ人にも血液型があったことが明らかに。ネアンデルタール絶滅の理由は「繁殖率が低いから」かも
https://55096962.seesaa.net/article/202108article_4.html

これも面白そうな話だよなあと思う。