近年のトルコは降水量減、赤い河と干ばつについて
近年のトルコは雨量減がデフォルトになりつつある、と聞いて、ちょっと調べてみた。
まず基本知識なのだが、トルコは広い国で、今回調べているのはヒッタイトの栄えた中央アナトリア付近である。イスタンブールはトルコの中でも西の端でいちばんヨーロッパに近いところであり、地中海に面しているので気候が違う。気候区分は以下のサイトなどを参照。
https://keynoters.co.jp/turkey/

ヒッタイトの中心部は↓ココ。

現在の雨量減を示したマップ
https://www.alrc.tottori-u.ac.jp/japanese/news-detail.php?id=182

赤い雨の少ない部分が見事にヒッタイトの地域と重なってて、「うん…これは…気候変動の影響めっちゃ受ける地域だな…」って思ってしまった。
元々、中央アナトリアは乾燥した地域で、冬の雨量がいちばん多く、夏はひたすら熱くて植物も枯れ果てる乾燥した季節になる。(エジプトと一緒だが、エジプトよりは雨が多く300mmくらいは降る。)
近年は数年おきに干ばつを食らっているようで、特に、中央アナトリアでいちばん雨の降るはずの4月の雨量減がかなり効いているらしい。
参考までに、中の人が赤い河のほとりを歩き回った時の写真はこちら
行ったのは雨のあとだったので花が咲き緑が多かったが、普段はこんなに緑はないらしい。そして草が茂っていても背景の岩山などは沙漠みたいな風景なのが分かると思う。そう、デフォルトが荒野なんだここ。カッパドキアのあたりは特に。
赤い河のほとりにある壺つくりの街アヴァノスの年間降水量資料はこちら。

山に木がなくてあまり水を溜められない+夏場はほとんど雨がふらない という状況で春先の雨量が少ないと、夏は渇水になるのは当たり前。
ヒッタイト帝国の衰退は雨量減による作物生育不良も一つの原因では、と言われるが、帝国中央部が実際に渇水の影響を受けやすい地域なのを見ると、気候変動説はアリだなぁと思うのだ。
あと、似たような研究として、この地域の干ばつがフン族の移動に影響したのでは、という説もある。
フン族の民族大移動には平原の干ばつが関係していたか? 疑問はあるが一説としてはアリかも
https://55096962.seesaa.net/article/495218941.html
遊牧民ならその年の気候によって移住先を変えるのはデフォルトなので、この説は話半分だなと自分は思っているのだが、農業で生活してる定住民のほうはそうもいかない。灌漑技術はあったにしても、赤い河にはナイルのようなダイナミックな増水はない。
なおヒッタイト中心部の周辺、雨量の比較的多いところはアルザワとかカシュカとか別勢力。
ヒッタイトって気候条件の厳しいとこに都置いてたんだよなあ、という気付きであった。
まず基本知識なのだが、トルコは広い国で、今回調べているのはヒッタイトの栄えた中央アナトリア付近である。イスタンブールはトルコの中でも西の端でいちばんヨーロッパに近いところであり、地中海に面しているので気候が違う。気候区分は以下のサイトなどを参照。
https://keynoters.co.jp/turkey/
ヒッタイトの中心部は↓ココ。
現在の雨量減を示したマップ
https://www.alrc.tottori-u.ac.jp/japanese/news-detail.php?id=182
赤い雨の少ない部分が見事にヒッタイトの地域と重なってて、「うん…これは…気候変動の影響めっちゃ受ける地域だな…」って思ってしまった。
元々、中央アナトリアは乾燥した地域で、冬の雨量がいちばん多く、夏はひたすら熱くて植物も枯れ果てる乾燥した季節になる。(エジプトと一緒だが、エジプトよりは雨が多く300mmくらいは降る。)
近年は数年おきに干ばつを食らっているようで、特に、中央アナトリアでいちばん雨の降るはずの4月の雨量減がかなり効いているらしい。
参考までに、中の人が赤い河のほとりを歩き回った時の写真はこちら
行ったのは雨のあとだったので花が咲き緑が多かったが、普段はこんなに緑はないらしい。そして草が茂っていても背景の岩山などは沙漠みたいな風景なのが分かると思う。そう、デフォルトが荒野なんだここ。カッパドキアのあたりは特に。
赤い河のほとりにある壺つくりの街アヴァノスの年間降水量資料はこちら。
山に木がなくてあまり水を溜められない+夏場はほとんど雨がふらない という状況で春先の雨量が少ないと、夏は渇水になるのは当たり前。
ヒッタイト帝国の衰退は雨量減による作物生育不良も一つの原因では、と言われるが、帝国中央部が実際に渇水の影響を受けやすい地域なのを見ると、気候変動説はアリだなぁと思うのだ。
あと、似たような研究として、この地域の干ばつがフン族の移動に影響したのでは、という説もある。
フン族の民族大移動には平原の干ばつが関係していたか? 疑問はあるが一説としてはアリかも
https://55096962.seesaa.net/article/495218941.html
遊牧民ならその年の気候によって移住先を変えるのはデフォルトなので、この説は話半分だなと自分は思っているのだが、農業で生活してる定住民のほうはそうもいかない。灌漑技術はあったにしても、赤い河にはナイルのようなダイナミックな増水はない。
なおヒッタイト中心部の周辺、雨量の比較的多いところはアルザワとかカシュカとか別勢力。
ヒッタイトって気候条件の厳しいとこに都置いてたんだよなあ、という気付きであった。