古代エジプトの「かつら」の作り方と、屋外では使えなかったのでは疑惑について
古代エジプト人の工房でどんなものが、どうやって作られていたかを具体的に知りたいなぁということで、こないだから、思いついたものをちょろちょろと調べている。今回は「かつら」である。そう、古代エジプト人の貴族や王族が使っていたとされるアレ。
まず前提。
・「かつら」は高位の人間なら必ず使っていたものではない。地毛でイケる人は地毛。
ふさふさのミイラも多い
・古代エジプト世界において、髪型(格好)=職業・身分。
基本型から外れるものは少ない。
・壁画などに描かれている姿は基本的に理想/正装なので普段着は別にあったと考えられる。
なお、古代エジプトものの創作でよくある、「黒髪ぱっつん」という髪型は、実際には皆無。あれは創作物ならではの髪型。
そのへん調べた記事は以前書いたので参考までにどうぞ。
で、カツラの作り方である。
==================
(1)人毛を刈り取って集める
(2)長さに分けて揃える
(3)しらみなどの余計なものを排除する
(4)石鹸で洗う
(5)髪の房を、三つ編み、カールなど、ひとかたまりごとに形にする
(6)土台となるネット状に編んだ髪、または布、皮などに(5)で作った髪の房を固定していく
この時、蜜蝋を使う
(7)微調整して、完成!
==================

Ancient Egyptian Materials and Technology - Nicholson, Paul
しらみ取り手順入ってるのは「お、おう…」とという感じ。また石鹸については、実際に成分が出ているものがあるらしくて、一般的に、洗浄したり、香り付けをしたりしてた可能性はあるとのこと。カツラにしてしまえば、新たにしらみがつくことはあまり無かったらしい。
また髪の毛が材料なのでとても高価で、値段順に書かれたパピルスでも、かなり上位にあるとのこと。


カツラはロングヘアのものもあるが、短めの髪型でボリューミーなのもあるらしい。色は薄茶色か赤茶色。退色している可能性もあるが、髪質的にコーカソイドに分類されるものが多く、髪染めを使用した形跡もあるという。おそらくアフリカ的な縮れ毛ではカツラが作れなかったので地中海系の人たちの髪を使っていて、明るい色のほうが好まれたのではないかと思う。壁画は黒髪ばっかりだが、実際は茶髪のカツラかぶってたってことだ。
そして重要なのが、「カツラを固めるのに蜜蝋を使っていた」とという部分。
実は蜜蝋、60度~65度くらいで融けてしまう。
日本でも、夏場の頭髪の温度は50度~55度くらいは平気でいく。コロナの時分、外から帰ってきて会社の入り口ゲートで熱測ったら、頭髪部分の熱がありすぎてゲート開かなかったことが何度もあるよ中の人。50度って表示されて、警備員さんに「あー髪の毛ですね…通っていいす」って笑われたことあるよ。あるある。
日本より暑いエジプトの夏、お外でカツラ被って出歩いたら、髪の毛ぜんぶバラバラになっちゃいますね…。
そう、だから、古代エジプト人のカツラは、
・夏場は日差しのあるところで使えない
・主に屋内用
・熱に弱いので頭が熱い時に(熱がでてる時とか)被ったらダメ
という制限つきの装備品なのだ。まあそもそも、夏場にボリューミーなカツラなんて被って出歩いてたら熱射病で倒れそうだけども。
カツラは屋内で短時間被るとか、儀礼の時だけにしておくのをオススメしたい。
まず前提。
・「かつら」は高位の人間なら必ず使っていたものではない。地毛でイケる人は地毛。
ふさふさのミイラも多い
・古代エジプト世界において、髪型(格好)=職業・身分。
基本型から外れるものは少ない。
・壁画などに描かれている姿は基本的に理想/正装なので普段着は別にあったと考えられる。
なお、古代エジプトものの創作でよくある、「黒髪ぱっつん」という髪型は、実際には皆無。あれは創作物ならではの髪型。
そのへん調べた記事は以前書いたので参考までにどうぞ。
で、カツラの作り方である。
==================
(1)人毛を刈り取って集める
(2)長さに分けて揃える
(3)しらみなどの余計なものを排除する
(4)石鹸で洗う
(5)髪の房を、三つ編み、カールなど、ひとかたまりごとに形にする
(6)土台となるネット状に編んだ髪、または布、皮などに(5)で作った髪の房を固定していく
この時、蜜蝋を使う
(7)微調整して、完成!
==================

Ancient Egyptian Materials and Technology - Nicholson, Paul
しらみ取り手順入ってるのは「お、おう…」とという感じ。また石鹸については、実際に成分が出ているものがあるらしくて、一般的に、洗浄したり、香り付けをしたりしてた可能性はあるとのこと。カツラにしてしまえば、新たにしらみがつくことはあまり無かったらしい。
また髪の毛が材料なのでとても高価で、値段順に書かれたパピルスでも、かなり上位にあるとのこと。


カツラはロングヘアのものもあるが、短めの髪型でボリューミーなのもあるらしい。色は薄茶色か赤茶色。退色している可能性もあるが、髪質的にコーカソイドに分類されるものが多く、髪染めを使用した形跡もあるという。おそらくアフリカ的な縮れ毛ではカツラが作れなかったので地中海系の人たちの髪を使っていて、明るい色のほうが好まれたのではないかと思う。壁画は黒髪ばっかりだが、実際は茶髪のカツラかぶってたってことだ。
そして重要なのが、「カツラを固めるのに蜜蝋を使っていた」とという部分。
実は蜜蝋、60度~65度くらいで融けてしまう。
日本でも、夏場の頭髪の温度は50度~55度くらいは平気でいく。コロナの時分、外から帰ってきて会社の入り口ゲートで熱測ったら、頭髪部分の熱がありすぎてゲート開かなかったことが何度もあるよ中の人。50度って表示されて、警備員さんに「あー髪の毛ですね…通っていいす」って笑われたことあるよ。あるある。
日本より暑いエジプトの夏、お外でカツラ被って出歩いたら、髪の毛ぜんぶバラバラになっちゃいますね…。
そう、だから、古代エジプト人のカツラは、
・夏場は日差しのあるところで使えない
・主に屋内用
・熱に弱いので頭が熱い時に(熱がでてる時とか)被ったらダメ
という制限つきの装備品なのだ。まあそもそも、夏場にボリューミーなカツラなんて被って出歩いてたら熱射病で倒れそうだけども。
カツラは屋内で短時間被るとか、儀礼の時だけにしておくのをオススメしたい。