古代エジプトに「ナツメヤシ」はあるけど「アブラヤシ」はない。エジプトで使われた油の種類についての注意点

古代エジプトで使われていた植物油の中にヤシ油がないなあ、と思って調べてみたら、「そもそもパームオイルの原料となるアブラヤシはエジプトには生えない。生えているのはナツメヤシなのでナツメヤシ油(Date Palms Oil)ならある」という記述に突き当たり、「???!!」となってしまった。
まさかの。ヤシの種類違い。
これは盲点…

というわけで、簡単にまとめておく。

●ヤシ油=ココナツ
●パームオイル=アブラヤシ
●デーツ・パームオイル=ナツメヤシ
 ★これがエジプトにあるやつ


******************

●ヤシ油=ココナッツ・オイル(coconut oil)

日本語で言う「ヤシ油」と「パーム油」、一緒だと思ってたら実は別ものだったらしい。
一般的に言うヤシ油とはココナツから取れる油のこと。で、アブラヤシから取れるパーム・オイルとは別。まずここからスタートだった…

Coconut_and_oil.jpg


●パーム油(Palm Oil)

アブラヤシから取れる。
アブラヤシは高温多湿地帯に生える植物で、現代においてはアジアのプランテーションが有名。
原産地はアフリカだとギニア湾沿岸など。
古代エジプト人は利用していないか、利用したとしても輸入品で少量だけだったと考えられている。

Oilpalm_malaysia.jpg

1280px-Elaeis_guineensis_fruits_on_tree.jpg

●ナツメヤシの植物油(Date Palms oil)

ナツメヤシから取れる。
ナシメヤシは乾燥地帯に生える植物で、エジプトにおいては古代から栽培されていた。ただ完全な沙漠では育たないため、灌漑水路を使って水を引き込み、沙漠と畑の境目などで育てるのが基本。

Phoenix_Dactylifera_Date_Palm_Fields_South_Coast_Wholesale.jpg

1280px-Palm_dates_bunch.jpg

古代エジプト人は、ビールの甘みづけなどに利用したり実を食べたり、葉っぱや幹も余す所なく使っていた。


******************

ヤシはヤシなんだけど、「ヤシ油」と言ってしまうとココナツになり、「パーム・オイル」だとアブラヤシのほうになるのでエジプトには生えないヤシの種類になってしまうらしい。今まであんまり意識していなかった。というか、生成AIにエジプトの風景作らせる時におもくそパームって入れてたよ…ほんとはデーツって入れないとだめだったのか…。

些細な違いだが、ここは重要だと思うので注意していきたい。
古代エジプトにあるのは「ナツメヤシ油」であって、「ヤシ油」や「パーム油」ではない。

あと現代エジプトのナツメヤシ農家とか見ていると、ナツメヤシにつく寄生虫がいま問題になってるとかの話が出てきて、普通に果樹園の苦労をしていた。同じ種類の木をたくさん植えると病虫害が発生しやすくなるのは宿命か。古代人はどうしてたんだろうな。