古代エジプトと「羊皮紙」事情:皮を筆記具として使うこと自体は古代からある。
一般的な紙の歴史の本には、「古代エジプトではパピルス紙が使われていて、それ以外の筆記具はあまり使われていない」という話とか、「羊皮紙はキリスト教徒が後世に使い始めたもの」という話が出てくると思う。紙が先にあって、皮は筆記具としてあまり使われていなかったのでは、という話である。
が、皮に文字を書いていた例は、実は古代エジプトに残っている。こちらが、その代表例である。第18王朝の将軍ナクトの「死者の書」で、最初の3ページほどが皮になっている。これが、皮を使って死者の書を書いた「最後の」例とされている。つまり、それ以前に皮を使って呪文書を作った人たちは、他にもいる。



拡大してじっくり見たい人は大英博物館サイトで。
https://www.britishmuseum.org/collection/object/Y_EA10473-1
情報として「レザー」しかないのでヒツジなのかヤギなのかは不明。ただ、おそらくどちらかになると思う。

これ以前だと、布に死者の書を書いた例もある。そう、「死者の書」は、最初からパピルスの巻物に書くことを想定された文書ではなかったのだ。
何しろ、元になっているのが、棺に書いていたコフィン・テキストなのだ。
ピラミッド内部の呪文→棺(コフィン)に書く→屍衣やミイラ・マスクに書く→皮や紙に別出し→紙の巻物に書くのがスタンダードになりめっちゃ長くなる→長くなりすぎたのでショート版が流行る→廃れる
という感じで、時代ごとに扱いも、呪文の書き方や長さも変わっていく。その中で、「死者の書」としての序盤、新王国時代・第18王朝の最初の頃には、皮が呪文書を書く代表的な紙がわりの品として使われていた。「羊」皮紙じゃなくてヤギ皮だったかもしれないけれど、皮に文字を書くスタイルの起源は、別にキリスト教徒まで待たなくてもいいです。
が、皮に文字を書いていた例は、実は古代エジプトに残っている。こちらが、その代表例である。第18王朝の将軍ナクトの「死者の書」で、最初の3ページほどが皮になっている。これが、皮を使って死者の書を書いた「最後の」例とされている。つまり、それ以前に皮を使って呪文書を作った人たちは、他にもいる。



拡大してじっくり見たい人は大英博物館サイトで。
https://www.britishmuseum.org/collection/object/Y_EA10473-1
情報として「レザー」しかないのでヒツジなのかヤギなのかは不明。ただ、おそらくどちらかになると思う。

これ以前だと、布に死者の書を書いた例もある。そう、「死者の書」は、最初からパピルスの巻物に書くことを想定された文書ではなかったのだ。
何しろ、元になっているのが、棺に書いていたコフィン・テキストなのだ。
ピラミッド内部の呪文→棺(コフィン)に書く→屍衣やミイラ・マスクに書く→皮や紙に別出し→紙の巻物に書くのがスタンダードになりめっちゃ長くなる→長くなりすぎたのでショート版が流行る→廃れる
という感じで、時代ごとに扱いも、呪文の書き方や長さも変わっていく。その中で、「死者の書」としての序盤、新王国時代・第18王朝の最初の頃には、皮が呪文書を書く代表的な紙がわりの品として使われていた。「羊」皮紙じゃなくてヤギ皮だったかもしれないけれど、皮に文字を書くスタイルの起源は、別にキリスト教徒まで待たなくてもいいです。