古代エジプトのお台所用品:まな板

古代エジプトの庶民の包丁は、フリント系の石だったとされる。で、まな板のほうもおそらく石だった。エジプトはそもそも、硬い木材が育たない土地で、かわりに石材は豊富だったからである。平らにしやすいアラバスターなどが使われていただろう、と言われるが、そのまな板を使ってるシーンをたまたま見つけてしまった。

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お魚を開きにしているシーンである。おじさんが魚をさばくのに、地面に置いたゲタみたいなまな板を使っている。
ただの板だと思っていたので、「ちゃんと足つくってるんだ?!」というのが驚き。けっこう丁寧に作ってた。

なお、古代エジプト世界では、椅子やテーブルは基本的に使われない。というか高級品なので、それなりの階級の家で特別な時に使うとかの品になる。当然、台所も調理用テーブルとかがあるわけではなく、せいぜい、壺の上に直接、板を渡して作業場所にしてたり、鍋をかき回すのに足の短い椅子を使ってるくらい。なので、地面に直接、まな板を置いて調理するのは、庶民の家庭だと普通だったと思われる。

江戸時代の漁村あたりでもありそうな風景なんで、ちょっとフフッとなってしまう調理風景なのであった。