著名エジプト学者ザヒ・ハワス、訴えられる。エジプトには発掘法なるものがあるらしい
何かと過激な言動で知られるエジプト人考古学者ザヒ・ハワス博士が、同じくエジプト人考古学者のモニカ・ハンナ氏に、発掘資金を不正に流用したとして訴えられている。
この二人は犬猿の仲、というか相反するポリシーで動いているので、対立は今に始まったことではない。
政府べったりで、話題になって観光客がいっぱいくればそれでいいザヒ博士と、儲け至上主義の政府のやり方は間違っているとして舌鋒鋭く批判するモニカ女史では、信じる正義が違うのだ。
ちなみに、少し前には日本の考古学者の権威ということになっていて、ザヒ博士とも懇意にやっている吉村作治氏の関わるピラミッドの修復に関する問題が盛り上がっていたが、この時もまっさきに「やり方おかしいだろ!」とツッコんでいたのがモニカ・ハンナ氏である。(そして、そのPJは中止された)
で、今回は、発掘資金の出どころがおかしくない? という話と、ザヒ氏の息のかかった民間組織を勝手に発掘現場に入れている、発掘法に反しているという告発である。
古代都市メンフィス近郊のサッカラと、ルクソールにおける発掘が訴えられているので、ああ、これ日本の発掘隊が入ったPJも関わってるなぁと思いながら見ていた。
Archaeologist accuses Zahi Hawass of violating excavation laws
https://www.egyptindependent.com/archaeologist-accuses-zahi-hawass-of-violating-excavation-laws/
※念の為アラビア語も
https://future-news.net/271584/%D8%B9%D8%A7%D9%84%D9%85-%D8%A2%D8%AB%D8%A7%D8%B1-%D9%8A%D8%AA%D9%87%D9%85-%D8%B2%D8%A7%D9%87%D9%8A-%D8%AD%D9%88%D8%A7%D8%B3-%D8%A8%D9%85%D8%AE%D8%A7%D9%84%D9%81%D8%A9-%D9%82%D9%88%D8%A7%D9%86%D9%8A/
このニュースで知ったのは、アレクサンドリア図書館の元館長が設立した「ザヒ・ハワス・センター」なるものがあるらしいこと、そこが出所不明の発掘資金を調達するためのマネロン施設みたいに使われている疑惑があるということだ。
ググったら英語ページもあった。
https://hawass.bibalex.org/en/home/index.aspx
自動翻訳→
"ザヒ・ハワス・エジプト学研究所は、アレクサンドリア図書館の館長であるモスタファ・エル・フェキ博士によって2018年2月に設立された研究、教育、研修センターです。このセンターは著名なエジプト学者であるザヒ・ハワスにちなんで名付けられました。カイロのスマートビレッジにある文化自然遺産センター内にあります。"
ザヒ・ハワス・センターって名前ついてるけど、ザヒ氏は無関係を主張。また、このセンターは不正な資金ぐりはやっていないとも言っている。
ただ、ザヒ氏、昔から自分の気に入った人や身内を贔屓するために汚職に手を染めた疑惑が頻繁に持ち上がる人なんですよね…
カイロ博物館の職員から売店の販売員まで、自分の身内や、気に入った人をねじ込んだり。考古学庁の人事に介入したと言われたり。ぶっちゃけ、彼にインタビューしにいった人のご機嫌取りが大変だった話や、本を出版するときのゴタゴタの話を噂で聞いてる限り、「このくらいの不正なら、やってるだろうなあ…」という感想になってしまう。
まあ、うん。
今の政府とはべったりだけど、前のシーシ政権の時は切られてたのも、そういうことで。エジプトの発掘って、政治とカネの世界ががっつり絡むんですわ。
自分的にはエジプトさんの、発掘をショービジネスとして扱い、外貨を獲得するためや国威発揚のために遺物を利用するやり方が嫌いなので、モニカ・ハンナ博士の言ってることは毎回、頷くしか無い。ただ、エジプト政府は外貨獲得のために何としても観光客誘致したいので、ザヒ博士を糾弾出来ない。そもそも独裁政権の国では、政府に不利になる判決なんて出るわけがない。
今回の訴えも有耶無耶に終わるんだろうなあ…と思いつつ、その不正資金がどこから来ているのかは非常に気になるところである。
****
おまけ
モニカ・ハンナさんは過去にも自国を訴えてます。
・ツタンカーメンの黄金のマスクのひげが取れたのをボンドでくっつけた時
https://55096962.seesaa.net/article/201502article_3.html
・2011年の政変後、盗掘者を野放しにしていた時
https://55096962.seesaa.net/article/201306article_23.html
…おわかりいただけただろうか…。
この二人は犬猿の仲、というか相反するポリシーで動いているので、対立は今に始まったことではない。
政府べったりで、話題になって観光客がいっぱいくればそれでいいザヒ博士と、儲け至上主義の政府のやり方は間違っているとして舌鋒鋭く批判するモニカ女史では、信じる正義が違うのだ。
ちなみに、少し前には日本の考古学者の権威ということになっていて、ザヒ博士とも懇意にやっている吉村作治氏の関わるピラミッドの修復に関する問題が盛り上がっていたが、この時もまっさきに「やり方おかしいだろ!」とツッコんでいたのがモニカ・ハンナ氏である。(そして、そのPJは中止された)
で、今回は、発掘資金の出どころがおかしくない? という話と、ザヒ氏の息のかかった民間組織を勝手に発掘現場に入れている、発掘法に反しているという告発である。
古代都市メンフィス近郊のサッカラと、ルクソールにおける発掘が訴えられているので、ああ、これ日本の発掘隊が入ったPJも関わってるなぁと思いながら見ていた。
Archaeologist accuses Zahi Hawass of violating excavation laws
https://www.egyptindependent.com/archaeologist-accuses-zahi-hawass-of-violating-excavation-laws/
※念の為アラビア語も
https://future-news.net/271584/%D8%B9%D8%A7%D9%84%D9%85-%D8%A2%D8%AB%D8%A7%D8%B1-%D9%8A%D8%AA%D9%87%D9%85-%D8%B2%D8%A7%D9%87%D9%8A-%D8%AD%D9%88%D8%A7%D8%B3-%D8%A8%D9%85%D8%AE%D8%A7%D9%84%D9%81%D8%A9-%D9%82%D9%88%D8%A7%D9%86%D9%8A/
このニュースで知ったのは、アレクサンドリア図書館の元館長が設立した「ザヒ・ハワス・センター」なるものがあるらしいこと、そこが出所不明の発掘資金を調達するためのマネロン施設みたいに使われている疑惑があるということだ。
ググったら英語ページもあった。
https://hawass.bibalex.org/en/home/index.aspx
自動翻訳→
"ザヒ・ハワス・エジプト学研究所は、アレクサンドリア図書館の館長であるモスタファ・エル・フェキ博士によって2018年2月に設立された研究、教育、研修センターです。このセンターは著名なエジプト学者であるザヒ・ハワスにちなんで名付けられました。カイロのスマートビレッジにある文化自然遺産センター内にあります。"
ザヒ・ハワス・センターって名前ついてるけど、ザヒ氏は無関係を主張。また、このセンターは不正な資金ぐりはやっていないとも言っている。
ただ、ザヒ氏、昔から自分の気に入った人や身内を贔屓するために汚職に手を染めた疑惑が頻繁に持ち上がる人なんですよね…
カイロ博物館の職員から売店の販売員まで、自分の身内や、気に入った人をねじ込んだり。考古学庁の人事に介入したと言われたり。ぶっちゃけ、彼にインタビューしにいった人のご機嫌取りが大変だった話や、本を出版するときのゴタゴタの話を噂で聞いてる限り、「このくらいの不正なら、やってるだろうなあ…」という感想になってしまう。
まあ、うん。
今の政府とはべったりだけど、前のシーシ政権の時は切られてたのも、そういうことで。エジプトの発掘って、政治とカネの世界ががっつり絡むんですわ。
自分的にはエジプトさんの、発掘をショービジネスとして扱い、外貨を獲得するためや国威発揚のために遺物を利用するやり方が嫌いなので、モニカ・ハンナ博士の言ってることは毎回、頷くしか無い。ただ、エジプト政府は外貨獲得のために何としても観光客誘致したいので、ザヒ博士を糾弾出来ない。そもそも独裁政権の国では、政府に不利になる判決なんて出るわけがない。
今回の訴えも有耶無耶に終わるんだろうなあ…と思いつつ、その不正資金がどこから来ているのかは非常に気になるところである。
****
おまけ
モニカ・ハンナさんは過去にも自国を訴えてます。
・ツタンカーメンの黄金のマスクのひげが取れたのをボンドでくっつけた時
https://55096962.seesaa.net/article/201502article_3.html
・2011年の政変後、盗掘者を野放しにしていた時
https://55096962.seesaa.net/article/201306article_23.html
…おわかりいただけただろうか…。